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女の武器を使うこととは――女子アナとプロ彼女の問題

2014年12月10日

「女が嫌いな女」という発想は、じつは“男目線”である

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 女性にまつわる2つのニュースについてとりあげよう。

 ひとつは「女子アナの清廉性」問題だ。

 日本テレビのアナウンサーの内定を、「銀座のクラブでホステスのバイトをしていた」ことを申告しなかったことを理由に、内定を取り消されたとして東洋英和女学院大4年生の笹崎里菜さんが日本テレビを相手に「地位確認請求」訴訟を起こした。

 この訴訟で話題になっているのは、日本テレビが送ったという人事局長名の文書に、「銀座のクラブのホステス歴は、アナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない」と書いてあったからだ。

 この件について、TBSのアナウンサーだった当事者として小島慶子さんが書かれたコラムも面白い。


 もうひとつは、「プロ彼女」問題だ。

 これは漫画家の久保ミツロウさんとエッセイストの能町みね子さんが、今年結婚したロンドンブーツ1号2号の田村淳の妻について、「有名人と付き合う無名女性。モデル経験などあっても、報道では一般女性とされる女性」で、「彼女としてのプロ」だというのだ。

 これが、俳優の西島秀俊さんの妻にも当てはまるということで、話題になっているのだ。

 少し前になるがダウンタウンの松本人志さんも同じような結婚をした。そして松本さんにしても、ロンブーの淳さんにしても、西島さんにしても、「結婚しなさそう」で、「相手女性への要求が多い」のに、その彼らを射止めた女性に対して、「プロ彼女」という表現になるわけだ。

 西森路代さんも西島さんの結婚について考察している。


● 「女の武器を使う」ことしか選択肢がないことが問題

 「女って、こういう女が嫌いでしょ」と男性も思うし、多くの女性もそう思っている。

 しかし私は、「ホステスのバイト経験がありながら、女子アナを目指す女性」も、「有名人を狙いながらも、一般人を装う女性」も全く嫌いではない。

 なぜなら、いまの社会でお金や権力を持っているのは男性がほとんどであり、それを自分の物にするために「女の武器を使う」ことは、一種の合理的な判断だと思うからだ。

 私は、「女の武器を使う」ことはぜんぜん悪くないと思っている。

 美貌だったり、家事能力だったり、「気が利くこと」だったり、「男の要求を聞くこと」も、すべて本人の能力である。

 それは「頭がよい」とか「運動神経」があるなどと同じような能力であり、それを活用していけないというのは理不尽だと思うからだ。

 しかし、問題がないわけではない。

 それは女性にとって、「女の武器を使うことが一番楽」で、「女が成功するには、女の武器を使うのが手っ取り早い」と思わされているということだ。

 女性の人生の選択肢が少ないということが、問題だと思うのだ。

 男性はイケメンであったとしても、「男の武器」を使わないでほかの方法を使って成功する選択肢が多い。

 しかし女性は、たとえば美人に生まれたらこれを使わないと損である、と思わされている

 だからきれいな女性がほかの仕事やってるときに、私たちは「どうして女優やモデルにならないの」と聞いてしまう。「女性なのにその美貌を生かさないのはもったいない」と思ってしまうわけだが、イケメン男性に対しては必ずしもそうではないだろう。

 「女の武器を使って男の機嫌をとること」が問題なのではなく、女性にとってそれが成功への手っ取り早い選択肢だということが問題なのだ。

 男性の中にも女性の機嫌をとるのが上手な人はいて、時にはジゴロとか、ヒモとか呼ばれるわけだが、それは他の男性からみると、「うまくやりやがって」とねたまれるよりは、「男のくせにみっともない」と見られてしまう。

 しかし女子アナとかプロ彼女に対して、多くの女性は「男はすぐにこういう女にだまされる」「なんだかくやしい」という気持ちになってしまう。

 でも、「女の武器を使う」というのも、とても大変なことだと思うし、その「女の武器を使う方法」を決めるのが男だというのも、とてもしんどいことだと思うのだ。

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Profile
深澤真紀
深澤真紀(ふかさわ・まき)
コラムニスト・淑徳大学客員教授
1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。
卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立、代表取締役に。
日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内外で話題になる。
『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)、『輝かないがんばらない話を聞かないー働くオンナの処世術』、津村記久子との対談集『ダメをみがく――”女子”の呪いを解く方法』(紀伊國屋書店)、『日本の女は、100年たっても面白い。』(ベストセラーズ)など著書も多数。
公式サイト:http://www.tact-planning.com
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