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主婦から社長になった2代目の10年戦争

密なコミュニケーションで“おかみさん的リーダー”目指す

2014年12月10日

ダイヤ精機社長・諏訪貴子さんインタビュー(下)

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―― 諏訪さんが社長に就任したのは32歳の時。27人いた社員のうち年下は3人だけでした。創業者でカリスマ性があり、何事もトップダウンだったお父様と同じスタイルは無理と、ボトムアップ型の経営スタイルを構築していきます。心がけたのはどんな点ですか。

諏訪 現場の意見を吸い上げるボトムアップ型の経営を実現するには、社員との密なコミュニケーションが必要です。社員との距離を縮め、笑顔で自然にコミュニケーションを取れる関係をつくろうと考えました。

 社長に就任してからの2~3年は作業着を着て工場に入り浸り、社員と一緒の時間を過ごすことを心がけていました。社員一人ひとりの変化を見つけて「髪切ったんだね」「目の下のアザ、どうしたの?」と声をかけて。日々、現場で起きていること、社員が感じていることを何でもいいから肌感覚で知りたいと思っていました。

 立つ位置や距離にも注意を払いました。前に立つと威圧感が出てしまうので社員の横に並んで肩が触れ合うか触れ合わないかぐらいの距離を保つようにして。

―― 2代目社長の新しいコミュニケーションスタイルに対し、社員の方に戸惑いはありませんでしたか。

諏訪 最初のうちはそういう面もあったかもしれません。私も長い時間、工場にいることを心がけても、社長と社員の間にはなかなか越えられない壁があると感じていました。もっと距離を縮めたいと思い、ある時、ゲーム感覚で「大阪弁」を使って話しかけてみることにしました。

 「今日は大阪弁の日やねん」「この図面、どうやったん?」「何かうまくいってないことあるん?」という具合。私は東京生まれの東京育ちですから適当な大阪弁です。でも「この図面はどうでしたか」「何かうまくいっていないことはありますか」と標準語で杓子定規に聞かれるより答えやすいようです。「何か、変ですよ、その大阪弁」と指摘されながらも自然に会話が増えていきました。

―― なるほど。大阪弁を使ってみたというのは良いアイデアですね。こういうことを試したのは何かきっかけがあったのですか。

諏訪 当時、テレビで「カタカナ使用禁止」をルールにした番組があって。友達とゴルフに行った時、ホールを回りながらそれをやってみたんです。そうしたらすごく楽しかった。うっかりしてすぐにカタカナを言ってしまうので笑いっぱなしでした。その時、「これは面白い。会社では標準語禁止にしてみよう」と思ったんです。

 というのも、以前から、標準語って何となく冷たく感じると思っていたからです。現場の社員といる時には「聞く姿勢」が大事。「そうですね」「分かりました」と話すのでは何だかよそよそしい。「そやな」「ほんまやな」って言っている方が親しみがわきます。そう思って自分なりにスタイルをつくり上げていきました。

 社長である私と話すことが日常的になってくると、みんな構えることなく接してくれるようになりました。今では、「大丈夫? どこか悪いところはない?」と聞くと「悪いのは顔だけです」と冗談が返ってきます(笑)。「社長がどこにいるかは笑い声で分かる」と言われるような、笑いの絶えない職場になりました。工場を訪ねてきた取引先の方などから「ダイヤ精機の社員はみんな楽しそうに働いているね」と言われる雰囲気が出来上がりました。

―― 社員と親しく接しすぎたり、冗談を言い合っていると、社長と社員が「なあなあ」の関係になってしまったり、なめられてしまったりしませんか。

諏訪 よくそう聞かれます。社長に就任したばかりの私には正直、そこまで考える余裕がありませんでした。とにかく社員との距離を縮めて、心を通わせながら前向きに一緒に仕事をしたいという一心でした。

 ありがたいことに、社員の側がわきまえて線を引いてくれました。後に新人社員がたくさん入社するようになった頃、中堅クラスの社員が「社長は友達のように話してくれて接しやすいと思うけど、社長はあくまでも社長。気を抜いて失礼なことを言ったらダメだよ」と注意してくれたというのです。感謝しています。

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