• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

長時間の「持ち帰り残業」がもたらすリスク

2014年11月25日

秘かに悩んでいない? 残業規制から発生する定期的な持ち帰り作業

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

 こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。あなたの職場では、「持ち帰り残業」をしている社員がいる、という話を聞いたことはありますか? 先日、大手英会話学校の講師だった女性の自殺の要因は、長時間の「持ち帰り残業」だったとして、労働基準監督署が労災認定をしたニュースが話題となりました。今回は、持ち帰り残業を秘かに悩む彩乃さんのお話をもとに、どのような対策が有効かを一緒に考えてみましょう。

暗黙のやり方に疑問

 事務機器メーカーに勤める彩乃さんは、就業時間中に仕事が終わらず、「持ち帰り残業」をせざるを得ないときがある、と言います。

 会社の方針で残業規制が厳しく、一定時間を超える残業は一切認められないそうです。納期が迫っているときなどは、仕方なく自宅に持ち帰って自分のパソコンで作業をしていることがありました。

 しかし、職場には暗黙のルールで「持ち帰り残業」は広く行われており、とても不満を言える雰囲気ではありません。

 同僚の男性社員に話を聞くと、残業がつけられないから、週末も含めると、毎月50‐60時間くらいは「持ち帰り残業」でカバーしている、ということでした。

 最近、その男性社員の顔色が悪く、辛そうにしていることが多いので、心配だと言います。

 「自分さえ我慢していれば…」と思っていた彩乃さんですが、「このままでは社員みんなが疲れきってしまい、会社がダメになってしまうのでは…?」と強く疑問を持つようになりました。彩乃さんは、いったいどうすればよいのでしょうか。

「持ち帰り残業」が労災認定

 日本では、長時間労働等の原因により、精神疾患になってしまう人や「過労死」が残念ながら後を絶ちません。2014年11月1日から「過労死等防止対策推進法」が施行されました。

 この法律で過労死を防止する責務が明確になった国や地方自治体、使用者等は、それぞれの立場から具体的な取り組みが今後ますます求められていくことでしょう。

 企業が職場の長時間労働を減らしていくことはもっともですが、残業を規制するあまり「持ち帰り残業」で仕事をカバーしなければならないとなれば、それこそ問題です。

 つい先日、「持ち帰り残業」に関する労災認定の事件が明らかになりました。2011年に英会話学校講師の女性が自殺したのは、自宅で長時間労働する「持ち帰り残業」が原因だったとして、労災認定されました。労災は基本的に「業務遂行性」と「業務起因性」がなければ、認められません。

 「持ち帰り残業」は、自宅での作業実態の把握が困難なため、明らかな証拠がない限り労災認定を受けるのは概して難しいと考えられています。

 ところが、労働基準監督署は、残っていたメールや関係者の話から、女性は業務命令で英単語を説明するイラストを描いた単語カードを2000枚以上自宅で作成していたことを突き止めました。そこで、実際に労基署員がカードを作成して時間を計測し、自宅で月に80時間程度の残業をしていた、と結論づけたのです。

 会社での残業を合わせると、恒常的に月100時間程度の時間外労働があり、さらに上司から叱責されるという心理的な負荷もあって、うつ病を発症していたとして、労災が認定されました。こうした手法で労災認定がされるというのは異例であり、画期的とも言えます。

この記事をSNSにシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

Facebookコメント

※Facebookのコメント機能は、Facebookのソーシャルプラグイン機能を用いて実現してい ます。本機能、およびコメントの内容について、日経ウーマンオンラインは一切の責任を負い ません(日経ウーマンオンラインからのコメントを除く)。また、コメントを非表示にしたり、機能を停止することがあります。

Profile
佐佐木 由美子
佐佐木由美子(ささき・ゆみこ)
人事労務コンサルタント・社会保険労務士。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、働く女性のための情報共有サロン【サロン・ド・グレース】を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌等メディアで活躍
関連キーワードから記事を探す
働き方

Topics

CloseUp

WOL Selection

PAGE TOP

ログインしていません。

  • ログイン
  • 無料会員登録

Pickup

Focus

最新刊のご案内

仕事を楽しむ 暮らしを楽しむ日経ウーマン 10月号

もっと健康に、もっと美しく日経ヘルス 10月号

働くママ&パパに役立つウェブマガジン日経DUAL 9月号

まんがで分かる!やせる食べ方

毎日がラクになる片づけルール

日経ウーマンオンライン おすすめの本

日経ウーマンオンライン

広告をスキップ