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私だけ責められる、これはパワハラ?

2014年10月14日

「パワー・ハラスメント」のグレーゾーン。判断の目安・対処法は

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 こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。近年、職場におけるいじめや嫌がらせといったいわゆる「パワー・ハラスメント」(略して「パワハラ」)に関するトラブルが問題になっています。今回は、「パワハラでは?」とつぶやく満理奈さんの悩みを一緒に考えてみましょう。

上司からの厳しい注意、もしかしてパワハラ?

 家電メーカーの経理部に勤務する満理奈さん(25歳)。中学校から大学まで私立の女学校育ちで、優しい雰囲気が漂う女性です。満理奈さんの悩みは、男性上司から、仕事上のミスを厳しく責められることでした。

 「ミスする私もいけないのですが…。でも、上司が怖いんです。ちょっとしたことで、すぐにカッとなるし、私だけがいつも責められている気がします」そう語る満理奈さん。

 朝、会社へ行こうとすると、お腹が痛くなることもあるそうです。友達に相談すると、「それはパワハラじゃない?」と言ってなぐさめてくれるのですが、果たしてパワハラと言えるのか、満理奈さんもわからないと言います。

 上司に仕事上のミスを厳しく注意される、それはパワハラなのでしょうか?

パワハラの判断基準とは

 そもそも「パワー・ハラスメント」については、法律上の定義がありません。平成24年1月にまとめられた厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループによる報告書」の中で、パワハラの定義が定められているので確認しましょう。

 パワハラとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」とされています。

 ここでポイントとなるのが、「業務の適正な範囲」です。職場で、部下が業務ミスをした場合に、上司は注意・指導を行って改善を図るのは当然です。

 注意を受ける方は、多かれ少なかれ苦痛を感じるものでしょう。注意を受けて嬉しいと喜ぶ方はいませんよね?

 この上司の注意・指導について、どこまでが「業務の適正な範囲」と言えるのか、それを判断する指標として、下記の類型を報告書では列挙しています。

職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループによる報告書より「職場のパワー・ハラスメントの行為類型」。

 たとえば、注意・指導に付随して、身体的な攻撃や「馬鹿野郎」「給与泥棒」「お前ちょっと異常だから医者に行って診てもらってこい」「お前みたいなやつはクビだ」「明日から来なくていい」など、ひどい暴言や人格を否定するような発言、雇用関係を打ち切るような発言を受けているなら、業務の適正な範囲とは言えません。

 また、不必要に大声で怒鳴りつけるような行為や、モノにあたって何かを投げつけたり、ゴミ箱や机を蹴りつけたりするといった行為も、業務の適正な範囲ではありません。

 もし、満理奈さんと一緒の職場の人も、同じようなミスを繰り返しているにもかかわらず、満理奈さんだけ名指しで厳しく注意・指導されるようなら、業務ミスに対してではなく、満理奈さんに嫌がらせで指導している、と判断されることはあるかもしれません。

 しかし、満理奈さんの業務上のミスに対して、他の社員が見ている前であっても業務の適正な範囲内で注意・指導をしているのであれば、パワハラとは言えません。

 こうした注意・指導が不必要に長時間にわたり、業務以外の個人的な態度や性格などに触れてねちねちと叱責を続けるような場合は、パワハラと認められる可能性があります。本人だけでなく、職場全体であからさまにこうした注意を執拗にすることがあれば、職場のいじめと言わざるを得ません。

 人前でなくとも、たとえば電子メールで大勢にCCを入れて、業務ミスを注意するメールを送信するようなことがあれば、大きな精神的苦痛をもたらされるのは言うまでもありません。

 上司としては二度と同じようなミスを起こさせないように適切な方法として考えている場合もあるかもしれませんが、業務ミスは本人が理解すれば十分であり、あえて同僚やその他の上司に知らしめる必要はありません。

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Profile
佐佐木 由美子
佐佐木由美子(ささき・ゆみこ)
人事労務コンサルタント・社会保険労務士。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、働く女性のための情報共有サロン【サロン・ド・グレース】を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌等メディアで活躍
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