編集者S:ねえねえ、オランド仏大統領のニュース見ました?

 「元ファーストレディが暴露本を出版!」(タイトルは「Merci pour ce moment(このひとときをありがとう)」初版20万部 9月4日発売)

 著者は、オランド大統領の元パートナーでジャーナリストのバレリー・トリルベレールさん(49歳)。今年1月、オランド大統領と女優ジュリー・ガイエさんとの不倫関係が発覚したのを受けて、大統領との事実婚関係を解消した女性ですよね。しかも、その発覚の仕方がまたフランスの男性らしいというか!?(笑)。大統領がヘルメットをかぶって、スクーターの後ろにまたがり、エリゼ宮(大統領府)から彼女のもとに駆け付ける写真をスクープされてしまったのですから。この暴露本によると、大統領自ら、その事実をトリルベレールさんに伝え、当時、トリルベレールさんとの間には正式に結婚する話も進んでいたのに、ドタキャンしてきたとか。

 確かに2人の関係は「事実婚」だったから、“不倫”という言い方はちょっと違和感があるかもしれないけれど、正式な結婚の話まで出ていたとしたら、大統領はひどすぎるわ!

筆者:いくら法律上は「独身」だとしても、暴露本に書いてあることが事実だとしたら、ひどい話よね。フランスでは事実婚は珍しいことではないけれど、でも、お互いを信じ合うことで成立しているのも、また事実婚の真実。オランド大統領は、これまでもパートナーに選んだ女性たちと事実婚を繰り返してきています。トリルベレールさんの前は、サルコジ前大統領と大統領選で争った政治家のセゴレーヌ・ロワイヤルさんで、彼女との間には子どももいます。そして今回のお相手が、女優のガイエさん。

編集者S:何だか才色兼備の素晴らしい女性ばかりですね!

筆者:そうなのよ! 去年、オランド大統領が訪日の際に、事実婚のバレリーさんをファーストレディとして扱うか否かで、日本ではちょっとした物議を醸したのよね。結局、正式なパートナーとして国賓扱いすることになったけれど。

編集者S:日本人の常識とか、生き方から考えると、国のトップに立つ人が事実婚という形をとり、しかも幾度となくパートナーを変えること自体、理解しづらいでしょう。けれども、大統領としての仕事と、プライベートは関係ない、というのがフランス人の考え方なんですよね。

筆者:こうした問題で、大統領退任を迫られたりすることもないものね。 今回、紹介する女性も事実婚を選んだ1人よ。カリン・ガルニエ(Karine Garnier)さん(35歳)。パートナーとの間に3歳の男の子がいます。彼女は「結婚なんて信じてないわ」と言っていたわ。

カリン・ガルニエさん(35歳)。グラフィック・デザイナーを売り込む営業活動をしている。

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新進気鋭のアーティストをプロデュース

 パリ市の北東部にあたる10区。アジア系移民の多いベルヴィル地区に、カリンさんは自分の事務所を構えている。仕事は新進気鋭の写真家やイラストレーターを発掘し、プロデュースすること。スタッフはアルバイトの女性1人のみだ。

 「仕事相手を自分で決められるでしょう? 自分が『これだ!』と思ったアーティストと直接仕事ができるし、彼らと一緒に作品を企業やギャラリーなどに売り込みに行って、仕事をゲットできたときの嬉しさといったらないわ! やりがいのある仕事よ」

 とはいえ、カリンさんが本当にやりたかったのは、この仕事ではない。本当にやりたいのは、ドキュメンタリーの制作だ。