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幸福論 by アラン

新訳で読むアラン『幸福論』―あくびとは

2014年9月25日

「あくびは、みんなが待ち望んでいた解散の合図のようなもの」

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 「もう深刻ぶるのはやめてのんきにやろう」と語るフランスの哲学者・アラン。本連載では、約90年も前に書かれた名著『幸福論』の中から10本を厳選し、新訳でお届けしていきます。ア「もう深刻ぶるのはやめてのんきにやろう」と語るフランスの哲学者・アラン。『幸福論』とは、アランが書いた短いエッセーの中から、幸福に関するものを選んでまとめた哲学書です。本連載では、約90年も前に書かれた名著『幸福論』の中から10本を厳選し、新訳でお届けしていきます。アランの考えに触れることで、複雑に見えた困難や悩みが形をかえたり、目の前の景色が違って見えたりするかもしれません。さぁ、のびをして、あくびをして、頭の中をひっくり返そう!

翻訳/村井章子 ブックデザイン/佐藤亜沙美 イラスト/平山昌尚

あくび

 炉端で犬があくびをしたら、それは、心配事は明日に回しなさいという猟師たちへの合図である。何の遠慮会釈もなく手足を伸ばすこの生き生きした力は、見ていて気持ちがよく、ついまねをせずにはいられない。みんながのびをしてあくびをし、これが寝る支度の始まりになる。あくびは疲れのしるしではなく、お腹に深く空気を送り込んで、とげとげしく論争したがる精神に休みを与える作用なのである。人間の本性はこの強力な気分転換を通じて、私は生きているだけで満足です、考えることにはもう飽きました、と知らせる。

 注意を集中しすぎたりひどく驚いたりすると息が詰まってしまうことは、誰でも経験があるだろう。このことは、生理学ではっきりと説明がつく。胸郭には胸を守る強力な筋肉がついており、これを動かすとどうしても胸を締めつけ固定してしまうのである。両手を高々と上げる動作は降伏の合図だけれども、胸郭を自由にする働きもあることは注目に値する。そしてこの動作は、力いっぱいあくびをするのにも適している。

 このことから、心配事が文字通り胸を締めつけることがよくわかるだろう。心配を表す動作を始めるだけで胸郭は圧迫され、不安が生まれる。人は待つだけで不安になるものだ。どんな些細なことを待つときでもそうなのだから、不安は待つことの弟分と言えるだろう。こうして辛い思いをしているうちに、いっこうに不安から脱け出せない自分に対して怒りが湧き、いたたまれなくなってくる。

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