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移民から管理職に昇進したフランス女性

2014年7月18日

語学力と経歴を武器に外資系企業で成功

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筆者:今回は、外資系企業で活躍する管理職の女性を紹介します。モニカ・ピッシュ=ロスバーさん(Monika PICH LOSBAR)(43歳)。米GEキャピタルのフランス支社で事業部長をしています。子どもの頃、旧東ドイツからフランスに移民してきました。現在はフランス人の夫と中高生の息子(13歳、16歳)の4人家族。パリ郊外の住宅街に暮らしています。

編集者S:旧東ドイツからフランスに移民! そして事業部長にまで! 私たちには想像できないような苦労をしてきた方のような気がします。そもそもフランスには移民が多いのですか。

筆者:多いですよ。純粋フランス人なんて探すのも一苦労。例えば、前サルコジ大統領の両親も、オランド大統領の祖先も移民の家系だし、現政権は閣僚にも移民の女性を登用しています。先祖を三代遡れば、何らかの形で移民してきた人にあたる、と言われているくらいです。私も実際にフランスに足を運ぶまで実感がなかったけれど、パリの街を歩いたり、メトロに乗ったりすれば、肌や髪、瞳の色……本当に様々な人種・民族の人たちが一緒に暮らしているのがわかります。

編集者S:まさにフランスは移民社会なんですね。でも、移民だといわゆる大企業や安定した仕事に就くには、フランス人以上にハードルが高そうです。そんな中で管理職にまでなれたなんて、よっぽど優秀だったんですね。

筆者:ええ、確かに優秀で素敵な女性よ。でも、家族が離れ離れになって先が見えない不安な時期もあったし、フランスに来てからはアイデンティティ・クライシスに陥ったこともあるそう。日本で暮らしていると考えにくいけれど、ヨーロッパに行くと、戦争の歴史に人生を翻弄されてきた、という人に出会う機会も多いのよ。

モニカ・ピッシュ=ロスバーさん(43歳)。GEキャピタルのフランス支社で事業部長をしている。

   ◇   

 モニカさんに会うため、パリ市西部のオフィス街、ラ・デファンスにあるGEキャピタルのフランス支社を訪ねた。

 「はじめまして、モニカです」

 浅黒い肌に黒髪の美しい女性。それがモニカさんだった。当初、フランス人で管理職に就いている女性が会ってくれる、という情報しかなかったので、どこか親しみのあるアジア系の女性が現れるとは夢にも思っていなかった。しかし、話す言葉は美しいフランス語。現在は、20代~50代の部下19人を統率する事業部長を務めているそうだ。オフィスの会議室で話を聞いた。

カンボジア人の父、ドイツ人の母

 モニカさんの父親はカンボジア人で、母親はドイツ人。2人が出会ったのは、旧東ドイツにある大学のキャンパスだった。1960年代にインドシナからの交換留学生としてやってきた父親は、エンジニアを目指して勉学に励んでいた。そこで教師を夢みて大学に通う母親に出会い、ひと目で恋に落ち、結婚。1970年にモニカさんが生まれた。

 一家は旧東ドイツにある母親の実家で暮らしていたが、モニカさんが誕生した頃のカンボジアはクーデターやベトナム戦争の影響なども受け、混乱を極めていた。それと同時に東ドイツとの関係も悪化し、父親は滞在許可の延長が認められず、東ドイツから追放されることとなった。「カンボジアに帰っても命の保証はない。ポル=ポト派※に殺されるかもしれない」と、父親は家族を東ドイツに残し、覚悟してベルリンの空港に向かった。

※1960年以降、ポル=ポトを指導者に、カンボジア共産党を中心とした政治勢力。クメール=ルージュともいう。1970年代後半に反対派を大量虐殺したことで有名。その数は100万人とも150万人ともいわれる。

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増田ユリヤ
増田ユリヤ
ジャーナリスト 1964年、神奈川県生まれ。高校の日本史や世界史、現代社会の講師をしながら、NHKテレビ・ラジオのリポーターを務める。日本テレビ「世界一受けたい授業」にも出演。日本と世界の教育現場の取材を積み重ね、フィンランドやフランスでの取材を続けるうちにフランス人の知人が増え、フランス女性の生き方を取材するようになった。大の犬好きで犬に関する著作もある。主な著書に『新しい「教育格差」』(講談社現代新書)、『教育立国フィンランド流 教師の育て方』、『移民社会フランスで生きる子どもたち』『突破する教育』(いずれも岩波書店)ほか多数。
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