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「若者の○○離れ」について考える

2014年4月30日

「若者の○○離れ・○○依存」はニュースになりやすい

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 「読書時間ゼロ、大学生の4割 『暇ならスマホ』」(朝日新聞、2014/04/21)というニュースが話題になっている。

 「1日の読書時間が『ゼロ』という大学生が4割を超えた。全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)の調査で明らかになった。1カ月の本の平均購入費も過去最低だった。読書よりも、インターネットやゲームに熱中する学生が多いという。」なのだそうだ。

●「若者の読書離れ」の実態は?

 私は子供の頃から本好きで、長年本の編集の仕事をしてきたし、今も書き手となっているので、「残念だな」という気持ちもあるが、一方では「暇ならスマホ」はそんなに問題なのだろうかとも思うのだ。

 ちなみに上記調査によると、「1日の授業+大学の勉強+大学以外の勉強時間の合計は305.8分で12年から15.3分増加した。」だそうだ。読書時間は12年から3分ほどしか減少していないので、勉強+読書時間自体は増加しているわけだが、こういうデータはニュースにならない。

 また活字離れについては、少し古いがこんな記事もある。「読書世論調査データで検証する『読書離れ』のウソ」

 この記事によれば、「2000年代を過去と比較してみてみると、'50年代、'60年代に比べて、読書率は増えている。'70年代、'80年代と比べても、さほど大きな違いはない。」「10代~40代までの読書率が高く、中高年になると本を読まなくなる。定年になり時間に余裕が増えると読書率は逆に減る。」「ネット時間が長い人ほどよく本を読む。ネットユーザーの読書意欲は高い。ネットは本離れの要因ではないと推測される。」だそうだが、こういう記事もまたあまり話題にならないのだ。

 今も昔も中高年は「若者の○○離れ」というニュースが大好きなのである。

●いつの時代も、新しいものは悪者になりやすい

 そもそも、「スマホ」のように“新しいメディア”は、“悪者”になりやすい。

 さかのぼれば、江戸時代末期に輸入されたカメラ。「そっくりに映るということは魂が抜かれるに違いない」という迷信があり、さらに「三人で撮るときに真ん中に写った人が死ぬ」とさえ言われていたのだ。

 これは私が子供だった30~40年前でも、まだ気にしている人がいるくらいなので、知っている人も多いだろう。

 ちなみにこれは、昔のカメラはピントをあわせるのが難しく、真ん中にだけピントが合って周囲はぼやけるために、はっきり写っている真ん中の方がより多く魂を抜かれるからと思われていたからなのだ。

 また、明治時代に輸入された電話。

 この時代にコレラが流行して多くの人に感染していたため「電話は遠い距離をつなげるものだから、コレラの菌もうつるだろう」と思われていた。

 ここまでは誰しも「ばかばかしい迷信だな」と思うだろう。

 しかし、「テレビやマンガは馬鹿になる」、これは私が子供の頃に耳にタコができるほど言われた言葉だが、これについてはどうだろう。

 今なら「ゲーム・ネット・スマホ依存の若者が増えている」というニュースもよく聞く。

 そのためになんとなく、「テレビ・マンガ・ゲーム・ネットは問題のあるメディアだ」と思ってしまってはいないだろうか。

 しかし「これらのメディアではなく、本さえ読めばいい」というものでもないだろう。

 本と言ってもいろいろである。たとえばこの数十年のベストセラーリストを見ても、実用書やダイエット本などが多く、これを「読書」と呼ぶべきかは怪しい。

 読書すること自体ではなく、どの本を読んでいるかが大事なのである。

 最近は新聞を読まなくなったと言われるが、かつては「多くの人が新聞は取っている理由は、テレビ欄を見るため」と言われていたこともある。

 むしろネットニュースが人気なイマドキの方が、ニュースを読んでいる人が多いのではと思うこともあるくらいだ。なにしろ、日本はネットニュースが人気という珍しい国でもある。もちろん芸能ニュースなどが一番人気なのだろうが。

 一方では、テレビ・マンガ・ゲームの中にも、思考を深めてくれるよいものだってたくさんある。

 私自身も、本や新聞以上に影響を受けたテレビ・マンガ・ゲームも多いのだ。

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Profile
深澤真紀
深澤真紀(ふかさわ・まき)
コラムニスト・淑徳大学客員教授
1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。
卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立、代表取締役に。
日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内外で話題になる。
『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)、『輝かないがんばらない話を聞かないー働くオンナの処世術』、津村記久子との対談集『ダメをみがく――”女子”の呪いを解く方法』(紀伊國屋書店)、『日本の女は、100年たっても面白い。』(ベストセラーズ)など著書も多数。
公式サイト:http://www.tact-planning.com
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