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女ともだち、このやっかいな存在について

2014年4月13日

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 女ともだちは、やっかいだ。

 出会って少しずつお互いのことを知り、仲良くなり、信頼関係が築けたかなと思って気を抜いた瞬間、バシバシッと火花が散ってショートしたりする。いいオトナが喧嘩なんてしないでしょ、と頭では思っていても、それがどうにも避けられない時もある。

 エンターテイメント産業のメッカ、ハリウッドのお膝元のLAでは、中西部や東海岸に比べ、人間関係が表層的だと誰もが口をそろえる。そもそも喧嘩できるぐらいのレベルの友情を築くにはかなり時間がかかる街なのだ。

「今度ウチに遊びに来てね!」。

 知人からこんな言葉をかけられたら、以前住んでいたミシガン州でなら「じゃ、いつにする?」という発言が続くのが普通だ。だがLAでは、社交辞令としてスルーするのが、お約束だ。

 職場の同僚が男性記者や男性エディターばかりだった私は、女性の友人が欲しくて、地元の女子サッカーチームに所属し、毎週会う仲間ができた。

 が、そこそこ強いサッカーチームの場合、メンバーのほぼ100%が負けず嫌いだ。職業選びにもそのハイ・アチーバーぶりが現れている。

 検察官、医師、弁護士、刑事、そしてウェストポイント士官学校卒の軍キャリア組…と、とにかく自信溢れるパワフルな女性ばかりが目立つ。

 フレンドリーだけど、弱みや悩みはあまり他人に見せない。そんな彼女たちのつきあい方は、私がミシガンの田舎やシカゴや日本で培ってきた女友達たちとの関係とはひと味違っていた。

 毎週頻繁に会っていても、何となくバリアが張られていて、相手の内面深く知ることができない感じなのだ。

 そんな中で、例外的にお互いのトホホな姿を見せ合えたのが、友人Aだ。

 30代後半。大手金融機関でセールスを担当していた彼女は、不況で職を失った。米国ではリストラは日常茶飯事で、高給取りの彼女も例外ではなかった。18歳のとき、カナダからやってきて、自力で学位と仕事とグリーンカードをゲットした彼女は、苦しい時も自己の状況をユーモア混じりで他人に語れるタフな精神力の持ち主だ。

「大金を稼ぐために
 この国にやってきた」

 どうしてアメリカに移民として来ることにしたの? と聞いたら、Aは、

 「大金を稼ぎたいから」と言った。

 「カナダには大金を稼げる金融システムがないけど、ウオール街のあるアメリカなら、個人が稼げる額に天井がないからね」。

 巨額のカネを稼ぎたい。ここまではっきりと自分の欲望を語った女性に会ったのは生まれて初めてだった。

 ある時、Aと一緒にドライブしていると、彼女のボーイフレンドから電話が入った。彼はヘッジファンド勤務だ。

 スピーカーフォンで会話が聞こえる。

 「ねえ、今日、テレビ局の公開録画のイベントに一緒に行かない?」とAが彼に聞くと、速攻で「今日は無理だ」と彼が言った。

 そのTV番組は、参加者同士が数千ドルの賞金を勝ち取るべく競うというゲーム番組で、Aのお気に入りだった。

 勝ち気な彼女にしては、かなり柔らかい口調でボーイフレンドの予定を聞き、一方、彼の返答はドライで冷たく響いた。

 「最近、私たちうまくいってないんだよね」とAがため息と共につぶやいた。

 失業したAが節約して生活しようとしても、同棲相手の彼はパッとお金を使ってしまい、ボーナスが出ると迷わず新車を買おうとするのだという。

 「俺はちまちま節約するために、ヘッジファンドで大金稼いでいるんじゃない」と彼が言い、金銭感覚の違いから、口論することが多いという。

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Profile
長野美穂
長野美穂(ながのみほ)
東京の出版社で雑誌編集記者として約9年間働いた後、渡米。ミシガン州の地元新聞社でインターン記者として働き、中絶問題の記事でミシガン・プレス・アソシエーションのフィーチャー記事賞を受賞。その後独立し、ネイティブ・アメリカンの取材などに没頭。ボストン大学を経て、イリノイ州のノースウェスタン大大学院でジャーナリズムを専攻。ミシガンでカヤック、キャンプ、クロスカントリー・スキー三昧するのが一番の楽しみ。現在は、カリフォルニア州ロサンゼルスの新聞社で記者を経て、フリーランスジャーナリストとして活動中
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