• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

春の変化に心がついていかない人へ贈る本

2014年4月2日

酒井順子著『地震と独身』/彩瀬まる著『神様のケーキを頬ばるまで』

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

 四月になりましたね。春になると無性にパステルカラーの洋服が着たくなります。

 しかし薄着にするのにちょっと肌寒い日が多い。実は意外に冷えます。冷え性のわたしにとっては、なかなか手ごわい季節です。

 重いコートはもう飽きたから長かった冬ごと脱ぎ捨てたい。春は好きだけど、日々の過ごし方は難しい。

 そういう意味で春は一年の中でも変化の多い季節。心も天候と同じく、変化が多いのではないでしょうか。

 身の回りの変化に心がついてゆけない、という方におすすめの本を紹介します。

酒井順子著『地震と独身』(新潮社)。

 東日本大震災から先月で3年が経ち、様々なメディアで被災地の様子が報道されました。被災地に暮らす人、そして被災地から離れた人、そこには人々のそれぞれの決断があります。わたしは東京にいましたが、あの時ほど一人が心細かったときはなかったし、家族の存在が頼もしく思えたこともありません。本書は独身の方々が地震という非常時下に迫られた選択について、酒井さんが聞き取り、まとめたものです。

 人はいざというとき、何かを守りたい、守ろうという気持ちが強くあらわれます。震災直後、多くの独身者が口を揃えてこう言いました。

「わたしがしっかりしなくては」

 子供がいる人ならきっと子供を守る。子のいない独身者はそれぞれに自分が守るべき対象を見つけて、自分を奮い立たせたそうです。

 守る対象は親はもちろん、ペットや大事にしていた食器など、人は守るべきものがあると強くなるのだ、としみじみ感じます。

 また周囲に身内のひとがいない独身者は、同じ独身者同士助け合いました。家族という形態でなくとも、人は結びついて互いを助けるし、SNSなどを使ったネットワークも広がるということを実感したのも、震災という非常時下にあったからでしょう。

 日本は平和で安定した社会です。しかしだからこそ表立って見えなくなっていくものもあります。社会で働き、適当な年齢で結婚し、出産し……と女性の生き方のモデルケースが心のどこかで刷り込まれているように思います。震災に直面し、逃げた人、そして残った人誰もが究極の選択を迫られました。そして何らかの道を選びました。そこには自分と違った道を選んだ人に対しても、同じ辛さを超えたという思いやりの眼差しが注がれています。

この記事をSNSにシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

Facebookコメント

※Facebookのコメント機能は、Facebookのソーシャルプラグイン機能を用いて実現してい ます。本機能、およびコメントの内容について、日経ウーマンオンラインは一切の責任を負い ません(日経ウーマンオンラインからのコメントを除く)。また、コメントを非表示にしたり、機能を停止することがあります。

Profile
中江 有里
中江 有里
1973年大阪生まれ。89年芸能界デビュー。 2002年「納豆ウドン」で第23回BKラジオドラマ脚本懸賞最高賞受賞。 NHK-BS「週刊ブックレビュー」で長年、司会を務めた。 近著に「ホンのひととき 終わらない読書」(毎日新聞社)。 現在、NHK「ひるまえほっと」‘中江有里のブックレビュー’に出演、 関西テレビ「スーパーニュースアンカー」、フジテレビ系「とくダネ!」にコメンテーターとして出演中。新聞や雑誌に読書エッセイを連載中。書評も多く手がける
関連キーワードから記事を探す
エンタメ暮らし方

Topics

CloseUp

WOL Selection

PAGE TOP

ログインしていません。

  • ログイン
  • 無料会員登録

Pickup

Focus

最新刊のご案内

仕事を楽しむ 暮らしを楽しむ日経ウーマン 10月号

もっと健康に、もっと美しく日経ヘルス 10月号

働くママ&パパに役立つウェブマガジン日経DUAL 9月号

まんがで分かる!やせる食べ方

毎日がラクになる片づけルール

日経ウーマンオンライン おすすめの本

日経ウーマンオンライン

広告をスキップ