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サプリが「薬の効き」を弱める!?

2014年3月3日

4割の健康食品に薬の効果を弱める作用

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 昨年、厚生労働省研究班が実施した健康食品に関する調査で、対象となったサプリメントなどの健康食品の4割に、服用する薬の効果を低減する作用があることが分かった。東北薬科大学環境衛生学教室の永田清教授を代表者とする研究班がまとめた。

 永田教授らは、全国約100店舗の調剤薬局に来る患者を対象に、健康食品の使用状況や薬の服用状況に関するアンケート調査を実施。回収した1034件の回答では、243品目の健康食品が使用されていた。そのうちの約200品目を対象に、薬物代謝酵素への影響について調べたところ、約4割の健康食品で、人がのんだ薬を代謝するときに働く主な酵素、CYP3A4とCYP1A1の作用を促進することが分かった。

 「薬を代謝する酵素の働きが促進されるということは、薬が十分に効果を発揮する前に解毒されてしまうということ」と永田教授。つまり、必要な薬の効果を弱めるというわけだ。

■薬物代謝酵素を促進する医薬品より、
強い作用を持つサプリ成分も
薬物代謝酵素(CYP3A4)の働きを高める医薬品(=Control)の作用を100としたときの、健康食品の酵素促進作用を調べたところ、濃度によっては、医薬品より酵素促進作用が高いものがあった。なお、エタノール抽出することにより高い活性を見せる傾向があったことから、酵素活性に関与する成分の多くが水に溶けない脂溶性成分である可能性が高いと考えられる。(データ:厚生労働省研究班)
■薬物代謝酵素の働きが促進されると
薬が効く前に有効成分が肝臓で代謝される
体内に入った薬の多くは、肝臓を通るときに、徐々に薬物代謝酵素によって代謝され、効き目を失って体外へ排出される(左図)。健康食品成分などの影響でこの代謝酵素の働きが活発になると(右図)、血中の薬の成分の濃度が早く低下してしまうため、薬の効きが低下する。(図はイメージ)

 これまで、サプリメントの成分では、「セントジョーンズワート」というハーブに、強力なCYP3A4およびCYP1A2という代謝酵素を促進する作用があることが分かっており、2000年に厚生省(現、厚生労働省)が抗HIV薬や強心薬、免疫抑制薬などの効きが悪くなる可能性があるとして、医薬品との相互作用について注意喚起を行っている。

こんな薬を使っている人は健康食品との併用に注意!
・抗HIV薬        ・抗うつ薬
・強心薬         ・降圧薬
・免疫抑制薬       ・抗てんかん薬
・気管支拡張薬      ・抗不整脈薬
・血液凝固防止薬     ・経口避妊薬 など

現時点では、健康食品に含まれるどの成分が薬物代謝酵素(CYP)に影響を与えるのか、詳しく解明されていない。そのため、薬の服用が生死を左右するような状況の人は、薬と健康食品の併用は極力避けて。また、経口避妊薬もCYPで代謝される薬の一つ。ダイエットサプリと併用すると避妊効果がなくなる可能性もあるので、気をつけて。

 「今回の調査で、フォルスコリンなどを配合したダイエットサプリやウコン、ガジュツなどのハーブ成分などにも、セントジョーンズワートや酵素を促進する医薬品と同等の強い作用があることが確認された」と永田教授。ただし、同じ成分を配合したサプリでも、製品により酵素促進作用にはばらつきがあるという。「成分の抽出方法や添加物などによって酵素への影響が異なる可能性も」(永田教授)。

 この調査では程度の差こそあれ、健康食品が薬の効きを左右する可能性があることが分かった。さらに、細胞を傷つける作用(細胞障害毒性)をもつものがあることも確認されている(下囲み)。

健康食品が小腸の上皮細胞を傷つけている可能性も
細胞毒性を確認するため、健康食品の抽出物を混ぜた培地でヒトの肝ガン由来の細胞を培養し、何も混ぜなかった培地で培養した場合と細胞生存率を比較した。その結果、165製品中34製品で細胞の減少が確認された。なかでもグルコサミン含有食品での減少が顕著だった。「健康のためにとっている食品が、小腸上皮細胞などを傷つけている可能性がある。摂取した後に下痢をするようなら中止して」と永田教授。

 サプリなどの健康食品を「あくまでも食品で薬ほどの効果はない」「薬ではないので副作用はないはず」などと考えるのは危険。気管支拡張薬、強心薬など、すぐに命にかかわるような病気の治療薬を服用している人は、健康食品の併用は控えたほうがよさそうだ。

この人に聞きました
永田 清
東北薬科大学 環境衛生学教室
永田 清 教授
専門は薬物代謝酵素の機能および発現調節の解析。「成分が濃縮されるサプリでは、毒性も高まる可能性が。特にダイエット系成分はその傾向が強いので、注意が必要だ」。

「雑誌『日経ヘルス』もどうぞお楽しみください」

(文/堀田恵美 イラスト/平拓哉)

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