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夜WOL小説・すあしの恋―第27話

2014年2月11日

すっきりしないクリスマス・イブ

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私は、東京に住むアラサーOLの佐藤早紀。恋はすっかりご無沙汰だった私にも、もしかしてモテ期が到来したかも!? 私の恋物語を描く『Web小説・すあしの恋』は、毎日18時に更新です!

(前話はこちら

 「そんな飲み方、似合わないわよ」

 悦子はグラスを拭きながら、視線も向けずに言った。

 「え?」

 「飲み方は人それぞれだけど、あなたほどお酒のことを大事に思っている人が、さっきから、ちっとも味わってないじゃない」

 悦子は手を止め、早紀に優しく微笑んだ。

 「なにか話したいことがあるんじゃないの?」

 そう悦子に言われ、早紀はやっと相談する勇気をもてた。

*    *    *    *    *    *

 クリスマス・イブの今夜、村沢とは、それぞれ食事をすませたあと、午後9時に三軒茶屋で会うことにした。

 会う場所を自分の住む街にしたのは、村沢と話したあと、ひとりでイブの夜の電車に乗るのがイヤだったから。

 会う時間を遅くしたのは、村沢と会う前に、どうしても、悦子に相談したかったから。

 午後7時の開店と同時に、早紀は神保町の忘日庵を訪れた。

 けれど、どうしても話し出すきっかけがつかめず、1時間近く黙ったまま、4杯目を飲んでいた。

 早紀は、酸味の強い白ワインをひと口飲んでから言った。

 「お願いがあるんです」

 「お願い?」

 「もう一度、占ってほしいんです」

 早紀の言葉に、悦子は表情を曇らせた。

 「めったにしてもらえないっていうのは、わかってます。でも、どうしても、今夜だけは……」

 「あれ、占いなんかじゃないのよ」

 悦子はまた、グラスを拭き始めた。

 「それに、前にしたとき、はずしちゃったし」

 「はずれてなんかいません! 悦子さんに占ってもらったとおり、あのあと、ずっと以前に出会ってた『待ち人』が、すぐに現れて……」

 「あのあと現れたってことは、ママが言ってた人とは別人だよ」

 カウンターの隅に座るナベさんが言った。

 「え?」

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Profile
佐宮圭(さみや・けい)
作家。1964年兵庫生まれ。早稲田大学第一文学部人文学科卒業。アパレルメーカーの営業、花屋の社員を経て、1993年3月、フリーランスの編集兼ライターとなる。子ども向けの科学雑誌や『文藝春秋』『週刊朝日』などで活躍。2010年、『さわり - 女として愛に破れ、子らを捨て、男として運命を組み伏せた天才琵琶師「鶴田錦史」その数奇な人生』で第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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