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夜WOL小説・すあしの恋―第25話

2014年2月7日

もう、どうなってもいい

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私は、東京に住むアラサーOLの佐藤早紀。恋はすっかりご無沙汰だった私にも、もしかしてモテ期が到来したかも!? 私の恋物語を描く『Web小説・すあしの恋』は、毎日18時に更新です!

(前話はこちら

 我慢できず、早紀が顔を近づけようとした瞬間、村沢が顔をそむけた。

 「ここは?」

 村沢は、キョロキョロとあたりを見回した。

 「ご自宅ですよ」

 早紀はゆっくりと上体を起こした。

 「そうか、送ってくれたんだね。すまなかった」

 いまだけは謝ってほしくない、と早紀は思った。

 「単身赴任だったんですね」

 早紀は、自分の気持ちを落ち着かせるため、わざと家族の話題に触れた。

 「てっきり、ご家族といっしょに日本に戻って来られたんだと……」

 「家族はいないよ」

 「ですから、アメリカに残してこられたんですね」

 「ちがうよ。2年前、妻と娘が僕をアメリカに残して、日本に戻ったんだ」

 「村沢さんを残して?」

 「それから半年後、正式に離婚したんだ」

 「どうして?」

 「彼女が僕を捨てたんだよ」

 「え?」

 村沢はしばらく考えたあと、苦悶の表情を浮かべた。

 それでも、なにか決意したらしく、村沢は体を起こそうとした。

 しかし、頭痛に襲われたのか、顔を歪め、またベッドに倒れこんだ。

 「こんな醜態をさらしたからには、もう、すべてを話さなきゃね」

「気にしなくいいですよ。それより、ゆっくり休んでください」

「いや、聞いてほしんだ」

 村沢は、まっすぐに早紀を見つめた。

 その視線に圧倒されて、早紀は小さくうなずいた。

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Profile
佐宮圭(さみや・けい)
作家。1964年兵庫生まれ。早稲田大学第一文学部人文学科卒業。アパレルメーカーの営業、花屋の社員を経て、1993年3月、フリーランスの編集兼ライターとなる。子ども向けの科学雑誌や『文藝春秋』『週刊朝日』などで活躍。2010年、『さわり - 女として愛に破れ、子らを捨て、男として運命を組み伏せた天才琵琶師「鶴田錦史」その数奇な人生』で第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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