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一心同体になる母―分身の娘

2014年1月22日

いわゆる「仲良し母娘」だと思ってきたけれど…

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 みなさん、こんにちは。
 本連載のコラム編では、不健全な母娘関係のパターンを挙げ、解説。どのように対策をしていけばいいのかといったお話をしていきたいと思います。
 まずは「一心同体になる母―分身の娘」というパターンを見てみましょう。

【ケース1】
 A子さんは子どものころから成績がよく、学校でも褒められることの多い子でした。

 母はそんな娘のために、塾や習い事などの教育費は惜しみなく投資し、冷暖房完備の集中できる勉強部屋を与えました。

 私立中学を受験したときには、塾の送迎はもちろん、毎晩夜食をいそいそと作り、A子さんが床に就くまで、どんなに遅くても起きて待っていました。「A子さんの評価=母の評価」でした。

 志望校に合格したとき、就職が決まったとき。母はわがことのように歓喜の涙を流しました。そして、その志望校にも就職先にも、色濃く反映されていたのは、母の意向でした。

 勉強に不要なので、A子さんから男性は遠ざけるように努めてきた母。

 しかし30歳を過ぎたころから、急に手のひらを返して「結婚しないの?」。無邪気に聞いてくる母に、A子さんはだんだんといらだちを覚えるようになってきました。

【ケース2】
 「母には包み隠さず、なんでも話してきたと思います」

 そう語るB子さんと母は、まるで双子のような仲良し母娘。B子さんが成人したいまは、洋服はおろか、下着の貸し借りもするほど。

 そんな母にB子さんはその日あったことを事細かに報告するのが日課です。まるで「ねえ、ママ聞いて!」とせがむ幼稚園児のよう。

 また子どものころから友人の多かったB子さん。B子さんの友人が家を訪れれば、母は手作りのケーキでもてなし、友人たちとの談笑に参加しました。B子さんにとって、それは淡く素敵な思い出でした。

 学校の課題があれば、母が手伝ってくれました。「ママのおかげでいいものができた!」それはB子さんの喜びでした。

【解説】

 いかがでしょうか?

 一見問題のない、むしろいいお母さん、素敵な母娘関係に見えるケースもあったかもしれませんね。

 しかし、実はそこに問題が潜んでいる場合があります。

 その問題とは、母が娘の身体を借りて、自分の人生を生き直すことを生きがいとしていること。

 娘の人生に、わがもののごとく、当然の顔で侵食しているのにお気付きになられたでしょうか? そして自覚なく、絡めとるように、人生の主役を奪っていることに。

 多くの場合、こういう母は「献身的ないいお母さん」ととらえられます。

 ですから、娘の側も、自分が人生の主役を奪われていることに無自覚。あるいは主役を譲ること、つまり自分の人生を母に捧げることを、当然としてしまっています。

 そのため、彼女たちは、しばしば他人には「素敵ないいお母さんと仲良し娘」に映るのです。

 「自分がいないと、ママが寂しいんじゃないかって」。

 母をひとりにしておけないという使命感で、結婚なんてできないとこぼすかたもいます。

 また、なかには「母が娘と自分を同一視したときに、母を満足させること」を求められながらも、「ただし母を女として越えてはならない」というダブルバインド(※二重拘束。相反するふたつの命令に縛られること)を受けている娘もあります。この場合、問題はますます複雑です。

 娘は「母が自分と娘を同一視したときに、母の欲求を十分に満たすような、女性としての人生を歩まなければならない」「しかし女性として母を越えてはならない」という、どだい無理な要求を強いられるのです。

 当然ながら、娘は幼いころから深い混乱のなかに生きざるをえません。

 しかしながら、彼女の不満は、そんな無理な要求を強いる母に向けられることは少なく、ただひたすら「母の要求を叶えられない自分」に無力感を感じて生きていくのです。これは大変な歪みと言えます。

【対策】

●母娘の境界の曖昧さをどうするか

 このタイプの母娘関係において問題になるのは、母と娘の境界の曖昧さをどうするか、ということです。

 彼女たちのような母にとって、娘とは自分の延長線上の存在。きつい言いかたをすれば、娘はひとりの人格としての尊厳など認められていないに等しいのです。

 あなたにはプライバシーというものは守られていましたか? 母はあなたの部屋に入るときにノックをしましたか? 日記を勝手に読んだり、電話に聞き耳を立てられたりしませんでしたか?

 勉強や進路、結婚や就職と、母の干渉は、親としての指導の範疇を越えてはいませんでしたか?

 そう、自分をあなたに同化させて、自分の人生を生き直そうとしてはいませんでしたか?

 たとえ「あなたのことがなによりも大切なの」「あなたのためを思って」と言葉では言ってくれていても、メッセージとして受け手である娘の無意識下に入っていくのは行動のほうです。

 言葉と行動とで矛盾するメッセージが与えられたとき、混乱しながらも受け手がキャッチし従ってしまうのは非言語の行動が発するメッセージのほうなのです。

 もちろん、結果として、娘も、母の誘導、あるいは伴走によって、いい人生の選択をできた、という場合もあるでしょう。それはそれでいいと思います。

 しかしなんとなく自信のなさなどを抱えている娘もいて、それが母の過保護・過干渉や、自分の人生の選択を自分の責任でしてこられなかったことに、無自覚にも起因している場合があるのです。

 それはやはり母娘関係の不健全さと言えるのではないでしょうか。

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Profile
大川内 麻里
大川内 麻里(おおかわうち・まり)
1977年、福岡県生まれ。著述家・編集者。自身の被虐待や母娘関係の問題、不登校や高校中退(大検を取得し進学。心理学専攻)、離婚、うつ病などの実体験をもとに活動。
執筆、講演や心理相談のほか、出版やイベントのプロデュースも手掛ける。
naked heart代表。親友である元アイドルのチバレイこと千葉麗子さんとともに、自身のうつ病体験を赤裸々に綴った『チバレイ&マリの壮絶うつトーク~うつ女子ほど、仕事も恋もうまくいく!~』も話題を呼び、多くの女性たちから共感の声が寄せられた。著書に『這い上がるヒント~諦めなかったお笑い芸人30組の生き様』(東邦出版)、『うまくいかない自分から抜け出す方法』(かんき出版)ほか。『相方~ビートたけしとの幸福/ビートきよし 著』(東邦出版)の構成も手掛けた。
*公式サイト:http://naked-heart.jp/ *Twitter&Facebook:OkawauchiMari
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