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夜WOL小説・すあしの恋―第14話

2014年1月23日

デートの後の甘いひとときで

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私は、東京に住むアラサーOLの佐藤早紀。恋はすっかりご無沙汰だった私にも、もしかしてモテ期が到来したかも!? 私の恋物語を描く『Web小説・すあしの恋』は、毎日18時に更新です!

(前話はこちら

 湯船は、大人が3人、やっと入れるくらいの広さだった。

 今日は比較的すいていたので、早紀は疲労した足を伸ばし、湯のなかでマッサージした。

 つるつるだった。やっぱりサロンで脱毛してよかった、と思った。

 皇居のすぐ近くの銭湯は、ほとんどの客がランナーだった。

 入浴代の450円を払い、六畳ほどの脱衣所でランニングウエアに着替え、脱いだ服と荷物をロッカーに預け、皇居ランに向かう。

 皇居の周囲には、ロッカーとシャワーのあるランニング・ステーション、通称「ランステ」がたくさんある。

 でも、早紀は銭湯の方が好きだった。

 ランステは、施設がきれいで、アメニティグッズや化粧品も充実している。シューズやランニングウエアを貸りれば、通勤時に持ち歩く荷物も少なくすませられる。シャワールームは個室なので身体を見られずにすむため、女性からの人気は高い。

 けれど、シャワーしかないランステより、湯船のある昔ながらの銭湯の方が、早紀は好きだった。

 ゆったりと湯につかると、たまった疲れが溶け出し、筋肉がほどけてゆく。

 洗い場で、軽くこわばったふくらはぎを洗っているとき、ふと思った。

 〈石坂さんも、いま、となりの浴場で、身体を洗っているのかな……〉

 カコンという桶の音で我に返った早紀は、止まっていた手を慌てて動かし始めた。

 脱衣所の鏡に向かい、いつもより時間をかけてメイクしてから、外に出た。

 銭湯の前に置かれたベンチに座っていた石坂が、立ち上がり、早紀を迎えた。

 「おなか、すいたろ? すぐ夕食にしよう!」

 石坂は、ちょうど通りかかったタクシーを止め、乗りこんだ。

 「青山へ。近くまで行ったら、道案内します」

 早紀は念のため、ふだんの皇居ランの日には選ばない、かなりドレッシーな服装を選んでいた。

 それでも、石坂に連れていかれる店のドレスコードは気になった。

 「今日はどんな店に行くんですか」

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Profile
佐宮圭(さみや・けい)
作家。1964年兵庫生まれ。早稲田大学第一文学部人文学科卒業。アパレルメーカーの営業、花屋の社員を経て、1993年3月、フリーランスの編集兼ライターとなる。子ども向けの科学雑誌や『文藝春秋』『週刊朝日』などで活躍。2010年、『さわり - 女として愛に破れ、子らを捨て、男として運命を組み伏せた天才琵琶師「鶴田錦史」その数奇な人生』で第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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