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こころのトリセツ

働き女子の「こころのトリセツ」実践編

2013年12月9日

最近気分が落ち込む…それって「震災3年目うつ」かも

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 陸上自衛隊初の心理幹部として、衛生科隊員たちへのメンタルヘルス教育や、自殺防止、カウンセリングなどを行う下園壮太さん。自衛隊員はときに過酷な任務で極限の心理状態に置かれることがありますが、それをコントロールしたり、メンテナンスする方法を教えたりするのが心理幹部の役割です。こうした自衛隊でのノウハウは、普通の生活をしている人のメンタルマネジメントにも、大いに役立つそうです。今回から5回にわたって、仕事やプライベートの人間関係から婚活まで、働き女子ならではの悩みに答えてもらいました。(聞き手は、下園さんの最新刊『自分のこころのトリセツ』共著者でライターの柳本操さん)

☆  ★  ☆  ★  ☆

下園壮太(しもぞの・そうた)
1959年、鹿児島県生まれ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。筑波大学で心理学を研修。1999年に陸上自衛隊初の心理幹部として、多くのカウンセリング経験を積む。陸上自衛隊衛生学校メンタルヘルス教官として、衛生科隊員(医師・看護師など)にメンタルヘルス、自殺防止、カウンセリングなどを教育する。惨事ストレスに対応するMR(メンタル・レスキュー)インストラクター。2009年に第8回「国民の自衛官」に選ばれる。最新刊は『自分のこころのトリセツ』(日経BP社)。
※撮影:高木あつ子(以下同)

──自衛隊は東日本大震災のときにも災害派遣で大変な活躍でした。昨年、先生にお目にかかったとき、「震災から2年目あたりで疲労がピークになり、いま日本中をイライラの感情が覆っている」とおっしゃっていましたね。今は、それからまた変化が起こっているのでしょうか。

下園:大きな出来事があったときの心の後遺症は1年、2年と長引くことが多いんです。特に震災のように大変ショックな出来事があると、人は神経過敏になり、常に警戒のアンテナを立て、心身のエネルギーを消耗します。人は弱っていると敵につけこまれやすいので、本能的に、イライラすることによって自分の命を守ろうとするのです。

 しかし、3年たった今は、うつ状態が悪化している人が多いのです。たとえば、東北出身で親族が被災したけれど、自分自身は東京都内に住んでいた、という人がいます。そういう人は「心の被災」が長引いていることがあります。

 罪悪感を抱き続け、楽しんではいけないと思ったり、久しぶりに帰省して故郷の景色が変わっていることに打ちのめされたりします。小さい頃に遊んだ海岸がなくなり思い出の場所が消えてしまったのを目の当たりにして、何ともいえない空虚感にさらされるのです。そういう人は「あの風景を見るまではショックじゃなかった」と話すのですが、その空虚感は僕が想像できないほどぽっかりと大きいものであるようです。

──そうやってうつ状態になる人にとって、震災の経験が尾を引いているのだという自覚はあるのですか?

下園:目の前の出来事を乗り越えることでいっぱいいっぱいなので、震災のことを意識することはほとんどありませんね。

 震災のときにダメージを受けたけれど、いったん乗り越えた。しかし、その後に家庭のことや仕事のことなどいろいろな辛いことが重なり、落ち込んでいくんです。震災を機に大きくつまずき、そこから立ちあがりきらないうちに不運が重なる。

 そのようなときは、だいたい1年かかってうつ状態が悪化していき、最後に転倒してしまうのが3年目。自殺という残念な選択をしてしまう人もいます。

──『自分のこころのトリセツ』の中で、「死にたいと思う人の99%は、実際は自殺に至らない」という話が新鮮でした。それでも亡くなってしまう1%の人には、どのようなことが起こるのでしょうか。

下園:不運な出来事が重なりますが、共通点として「人の力を頼ることができない」ということが多いですね。自分に起こっている変調を無視したり、覆い隠そうとしたりします。それを「表面飾り」と僕は呼ぶのですが、元気なふりをして、仕事をたくさん引き受けてがんばり続けてしまいます。周囲が「そこまでやる必要ないじゃない」と止めたくなるほど仕事に打ち込んでしまう。やっている間は、不安なことを忘れることができるからです。

──うつ状態とは「休めなくなる病気」と先生はおっしゃっていますね。

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