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「だまされにくくなる習慣」を考えてみた

2013年11月21日

内省することで、身の回りの出来事に用心深くなる

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 先日、高齢者が狙われる詐欺について特集したNHKの番組を見ていて、暗い気分になりました。と同時に、たとえば私の両親などが、向こう20年にわたって、どんどん「進化」する詐欺師などにだまされないようにする「方法」といったものがあるだろうか、と考えてみました。

 ちょっと考えてみただけではとてもいい方法など考えつくことはできませんでした。周囲の人とよく話をしてもらうようにするとか、周りの人が気をつけて見守っているといった、番組で紹介されていたようなことまでは考えつくのですが。

 しかししばらくして、「自分がやっていることで意味がありそうな、しかし両親がやってなさそうなことはないだろうか」と考えたら、一つ思いつきました。

 それは、日記を付けることです。

●なぜ独裁者は日記を禁止したのだろう?

 G・I・ザミャーチンという作家が『われら』という作品を書いています。少し以前にかなり話題になった村上春樹さんの『1Q84』などにもおそらく影響している作品です。

 『われら』の中で、主人公はふとしたことから、彼の住む全体主義的国家では禁止されている行為を続けるようになってしまいます。それは「日記を付けること」です。ちなみにジョージ・オーウェルの『1984』ではこの部分がいっそう強調されており、日記を付けているところを見つかると強制収容所に送られます。

 なぜ『われら』の世界では、日記が禁止されているのでしょう?

 もしあなたがヒトラーやスターリンのような全体主義社会の独裁者であるとちょっと想像してみてください。「我が人民」に一番やって欲しくないこととは、なんでしょう。おそらく「自分の頭で考え続ける」ということだろうと思います。自分の「人民」ができるだけ内省的でなく、思考停止状態で行動し続けてくれるのが、独裁者にとっては最善だからです。

 日記というのは、どうしても内省を促します。仮に日記を読み返さずとも、日記を付けようとした瞬間に、内省に向かいます。自分の経験を思い起こすということ自体が、すでに内省的だからです。

次の質問について、答えてみてください。

・今日特別なことがありましたか?

・今日特別な人と会ったりしましたか?

・それらはどんな意味で特別でしたか?

・今日、いつもと違う不安になるようなことはありましたか?

・今日、いつもと違うよかったことはありましたか?

 こうした問いに毎日答えようとするだけで、私達は多少とも内省的になります。逆に、まったく内省的でない生活とは、自分へ自問することのまったくない生活です。問いかけは常に外へするか、その反対に常に外からの問い合わせに答えるだけの時間を過ごし続けることです。

 結局人をだますということは、なるべく人に考えさせず、行動させるということに尽きます。私自身、他人にだまされたということはもちろんありますし、常に考えて行動できているわけではありませんが、内省する時間は比較的多く持つことができています。それは結局、経験を書き留めては、それについて考えざるを得ない職業に就いているからです。

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佐々木正悟
佐々木正悟
心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。1973年・北海道生まれ。ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程で学ぶ。
ブログ「ライフハック心理学」主宰
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