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「会社が求める自分像」に縛られて…

2013年11月6日

メンタル相談「演技をするのに疲れたんです」(後編)

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 働く女性のメンタルヘルスを考えるこの連載、前回(メンタル相談「演技をするのに疲れたんです」)は、営業部勤務の26歳女性Aさんからの相談を紹介しました。その続きです。

 Aさんは、もうどうしようもない状態でつらいと言うので、きちんと会社の産業医のところに行くように促し、会社の産業医とも話をした。クリニックには通院しているようだった。この頃には上司にも報告をして、会社ぐるみでAさんの回復を願っていた。

 産業医にも会い、クリニックに通院しながら会社に通うAさんの話を聴き続けた。

 ある日の会話だ。

Hさん「どうして普通の自分ではダメなの?」

Aさん「会社が求めている私は、本当の私ではないから。本当の私を出したら会社にいられなくなる」

 Aさんの切実な気持ちが伝わってくる。

 Aさんは何度かHさんと話す間に、「本当の自分は内向的で暗い性格だ」と打ち明けていた。4年間にわたり、そんな自分を偽って別の自分を演じてきたことは、とても辛いことだったはずだ。なぜそうなってしまったのか?

 きっかけは、面接のときに面接官に言われた、次の言葉だった。

 「あなたはとても元気はつらつとして、営業向きね」

 この言葉をきっかけに、Aさんは、会社が求めている自分は、いつも元気ではつらつと仕事をする人物だと思い込んで演じ続けた。

 では実際はどうだったのだろうか?

 Hさんは、「会社はAさんという人間の可能性を採用した。演じているAさんが必要だったわけではない」とはっきり伝えた。

 回復に向かう過程で、Aさんは社内の人間とぶつかった。

 それまでの「演じていた自分」と「本来の自分」の間にはギャップがあった。自分自身でもコントロールができず、他部署の社員とのコミュニケーションを取るのが非常に難しくなった。本人がわからないのに、他人にその状態をわかってもらうのは大変だった。

 今までは伝わっていたことが伝わらない…。

 うまくコミュニケーションが取れずに、言い合いになることもしばしばだった。

 「あの人はダメ、あの人は私を悪く言う」と、イライラを周囲にぶつけることも多かったようだ。

 これまで我慢していた自分に対する怒りが、自分に対しても他者に対しても渦巻き、コントロールできない状態だった。

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太田由紀子
太田由紀子
産業カウンセラー。出版社、放送局勤務後、産業カウンセラーの資格を取得。傾聴でカウンセリングを行う。メンタルクリニックの運営にも携わっている。日経ビジネ スオンライン「メンタルリスク最前線」コラム執筆。日経ビジネスムック『課長塾 部下育成の流儀』にも登場。現在は音楽療法も勉強中。
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