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ブッダと農家の主人の会話

2013年8月26日

禅のことば~「耕雲種月(こううんしゅげつ)」

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 ある時ブッダが托鉢をしていました。托鉢とは、鉢をひとつ手にして家々をめぐり、食べ物を乞う修行です。

 ブッダがある農家に立ち寄ると、そこの主人が見とがめて言いました。「私は汗水流して畑を耕し種をまき、働いてどうにか食べている。それなのに、あなたはそうやって物を乞うだけじゃないか」と。

 するとブッダはこう答えたのです。

「私も畑を耕している。種をまき、働いて食べているのだ」
「いや、あなたが働いている姿なんて一度も見たことがない」
「私にとっては信仰が種である。修行こそが雨である。智慧を道具として耕すことで、安穏の境地にいたっているのだ」

 このやりとりで、農家の主人はとても感動しました…と古い経典には伝えられています。

 どうもブッダが暮らしていた古代インドでは、こういう「とっさの切り返し」――いわゆる「とんち」の効いた問答が好まれていたようです。だからこの時も、農家の主人は感動したお礼として、ブッダに食事を差し上げようとしました。ところがブッダは、「こんなやりとりのお礼として受け取ることはできない」と言って断ったのだそうです。

 さて、禅には「耕雲種月(こううんしゅげつ)」という言葉があります。雲を耕して月に種をまくような、自由闊達な禅の境地を示す言葉です。またそれと同時に、文字通り「畑仕事に勤しむように、苦労を厭わず修行せよ」という意味にも使われます。

 この「耕雲種月」という言葉には、先のブッダの「私も畑を耕し、種をまく」という言葉が反映されているように思えてなりません。ただ、ブッダは例えとして畑を耕していましたが、私たち禅僧の場合は実際の畑も耕します。

 例えと実際という違いはありますが、それでもブッダと私たちの間でちゃんと伝わり、通じ合っているものがあるのです。きっと、それこそが仏教の真髄なのでしょう。

(上月泰龍)

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Profile
曹洞宗の研究機関で活躍する若手・中堅僧侶4人。
宇野全智(うの・ぜんち)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。山形県大石田町地福寺副住職
上月泰龍(こうづき・たいりゅう)/ 曹洞宗総合研究センター教化研修部門研究生。三重県鈴鹿市泰応寺副住職
菅原研州(すがわら・けんしゅう)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。宮城県栗原市城国寺副住職
関水博道(せきみず・はくどう)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。神奈川県横浜市東泉寺副住職

*4人の詳しいプロフィールは⇒こちら
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