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「適性」は固定的なものではない

2013年8月26日

夢中で仕事に取り組むうち、それが適性になる

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 学生や新入社員時代であれば、何か選択ミスをしたときでも、「あら、間違えちゃった」と気軽にその都度やり直すことができますが、ある程度経験を積み中堅どころといえる年代になると、日々の選択の中にもちょっとした「知恵」が必要です。選択ミスをしたときの痛手は大きく、若い頃ほど気軽にやり直せないし、毎度、日替わりメニューのように選択を取り換えていると、残り時間がもったいないからです。そこで、この連載では、これからの人生がもっと楽しくなり、より充実した生き方ができるためのヒントを、パフォーマンス心理学の専門家として活躍する佐藤綾子さんに教えてもらいます。

 私のセミナーの生徒に、女性で弁護士としてバリバリ活躍しているTさんがいます。話すのがとても上手です。法律知識がしっかりしているので、ほかの生徒さんがさまざまな相談をしても、テキパキとした答えがすばやく返ってきます。

 セミナー後のお茶をしながら、「Tさんって本当に話すのがお上手ね。小さいときから話をする才能があったんでしょう?」とだれかが言いました。Tさんは、「とんでもない。私は子どもの頃シャイで、人前に出るとドギマギして、ちゃんと言葉が出てこなかったのよ」と笑って言いました。

 今では中堅弁護士として、仲間たちの勉強会を主催したり、講演会をしたりしている彼女にしては、とても考えられない、「シャイ」という言葉でした。

 実は私自身も、Tさんよりももっとシャイで、子どもの頃は、学校がなくなってしまえばいい、と思ったぐらいの人見知りでした。小学校三年生までは体が弱かったこともあり、落ちこぼれでした。学校に行くのはとても憂鬱(ゆううつ)で、運動会の前日など、「明日、学校が火事になって、運動会ができなければいいのに」と言って母に叱られていました。もちろん小学校は火事にもならず、私はずっと教室の隅で小さくなっていました。人と話すということへの「適性」はゼロだったのです。

 でも、そのあと、体が丈夫になり、六年生が一学年全員でやる学芸会で、いちばん背が小さいからいいだろうという理由で、『シンデレラ』の主人公に選ばれたのをきっかけに、だんだんと、人前で話をしたり、人に教えたりすることが自分の適性として育ってきました。

 こんなふうに、弁護士だから話すのが上手、税理士や会計士だから数字に強いという適性は、思っているよりもずっとあいまいなものなのです。

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Profile
佐藤 綾子
佐藤 綾子(さとう・あやこ)
1947年長野県生まれ。博士(パフォーマンス心理学)、日本大学芸術学部教授、パフォーマンス教育協会(国際パフォーマンス学会)理事長、国際パフォーマンス研究所代表、「佐藤綾子のパフォーマンス学講座」主宰。自己表現を科学する「パフォーマンス学」(自己表現教育)の日本における第一人者として多くの支持者を持ち、首相、国会議員、各界トップリーダーなどへのスピーチやプレゼンの指導に情熱を注ぐ。社会教育功労者賞受賞。テレビ、新聞、雑誌(連載9誌)など、多岐メディアにて活躍中。著書全174冊。
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