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転職までにどのくらいの貯金をすべき?

2013年8月13日

インフレでも給料が上がらない時代に、転職で失敗しないために

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 インフレの影響で、食費や交通費、電気代などの物価がじわじわと上がっています。贅沢をしなくても、これ以上節約できないくらい最低限の生活をするだけでも出費が増えています。でも給料は少ししか上がっていない、あるいは全く上がっていない人が多いのではないでしょうか? 給料が増えた人も残業時間が増えたためであって、本当にこれから給料が上がるという保証はありません。

 これまで「今より給料が減ってもいいから、好きな仕事に転職したい」と考えていた方は、あなたが想像している以上に金銭面においてシビアな時代が来ることを覚悟しなくてはいけません。なぜならインフレによって、最低限の生活をするために必要な出費が増える可能性があるからです。それだけに、転職を考える際は、ある程度の貯金をしておく必要があります。

転職に必要な貯金の理想は300万円

 では、一般的にどれくらい貯金があれば安心して転職できるのでしょうか。転職に必要な貯金の理想は300万円です。転職後、新しい仕事に慣れるまでには時間がかかるでしょう。体調が悪くなって休んだりすることもあるでしょう。本ペースになるまでには、半年から1年はかかります。上司や部署の同僚などのアフター5のお誘いにも断りづらくもなるでしょう。外食が増えたり、ストレスで買い物が増えるかもしれません。あるいはジムや温泉やエステなどにいったりしてストレス解消のためにいつもより出費が増えるかもしれません。まだよくわからない、慣れていない会社からは、突然の休日出勤や突然の出張や残業が増えて引越しをせざるを得なくなるかもしれません。予期せぬことが出てくる可能性は無数にあります。

 ですので、転職の際は、毎月の生活費を今よりやや多めに見積もったうえで1年分貯めることが必要です。毎月15万円の生活費がかかっていた人は20万円を12カ月分貯めてください。一般的には240万円、もっと余裕を見て300万円ほどの貯金があれば、精神的にずいぶん楽になります。

 これまで日本経済が低迷していた要因の一つに、デフレーション=物価水準が下落している状況がありました。その、物がどんどん安くなっていた状態を変えようと、アベノミクスが、インフレーション=物価水準が上昇している状態に、しようとしています。

 しかし、物価は上がっても、会社が給料を上げようとしません。なぜでしょうか。

 それは、日本の会社の場合、利益はまず会社の中で蓄えることが多いからです。会社の業績が悪化したときの備えや、新しい開発、投資にまわすなど、もしものときのために貯金しているのです。業績が悪化して株価が下がると、時価総額(そのときの時価の会社の持っているお金の総額)も下がります。すると、高度な技術をもっていたり、ライバル会社が少ないなど注目の会社は、買収の対象になりやすくなります。しかし、貯金や余剰資金があれば、それで時価総額などをコントロールしたり、ほかの小さな会社を購入して時価総額を大きくするなど対策をとれ、買収のリスクを回避することができるのです。

 ですから、業績が回復しても、会社は簡単には給料を上げません。一度、基本給を上げると、それをずっと維持しなければなりませんから。しかし、ボーナスなど一時金として増やす可能性はあるでしょう。転職したい方、やりたい仕事を見つけたい方で貯金が前述の水準に満たない方は、この時期にボーナスや残業で稼いだ分は蓄えておくことが大切です。そして次のチャンスに備えることです。

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柏木理佳
柏木理佳
生活経済ジャーナリスト。豪州の大学へ進学後、キャセイパシフィック航空(香港基点)に勤務を経て、中国の北京首都師範大学漢語科に留学。シンガポールで会社設立等に携わる。帰国後はNHK報道部などを経て、豪州ボンド大学院MBA取得。研究員としてシンクタンク勤務後、嘉悦大学准教授へ。現在は嘉悦大学付属産業文化観光総合研究所客員主任研究員、実践女子大学院非常勤講師。CDAキャリアデベロップメントアドバイザーの資格を取得。NPO法人キャリアカウンセラー理事も兼任。http://www.kashiwagirika.com
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