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【禅のことば】「お先にどうぞ」の心

2013年7月15日

第二のお彼岸!?「施食会(せじきえ)」

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施食棚(施食会の供養棚)/写真提供:神奈川県横浜市東泉寺

 この時期、各地の寺院では、「施食会(せじきえ)」※という法要が行われます。お彼岸と並んで代表的な供養の行事なので、どこかで耳にしたことがある、また参加したことがあるという方も多いのではないでしょうか(※宗派によっては「施餓鬼会(せがきえ)」とも呼びます)

 さてこの施食会、参加する皆さんの冥福を祈る家族やご先祖様のご供養のために営まれるものなのですが、その供養の仕組みが普段の法事などとはかなり異なっています。

 普段の供養は、読経の功徳を届けたい方に直接お届けする、いわば「直接供養」です。でも、施食会の場合は「間接供養」ともいうべき方法をとります。

 施食会の前半では「甘露門」というお経をお唱えします。この時、自分の家族やご先祖様は、一旦待機です。まずは世界中の「誰にも供養してもらえない霊(これは人間に限らず、動物なども含まれます)」に集まってもらうのです。

 お寺の門を大きく開け彼らを呼ぶと、水も飲めず、飢えに飢えを重ねて心までもが乾ききってしまった霊たちがやってきて、導師さまの特別な作法によって水を飲み渇きを鎮め、そして食事を取ることができます。久しぶりに、本当に久しぶりに食事を得、空腹を満たすことができた霊たちは、正しい心を取り戻し、これから私たちと、私たちの大切な御霊とを守る守護霊となることを約束して帰っていくのです。

 身も心も荒みきった霊たちが集まり、ご供養を受けることで心を回復し、仏様になることを誓って帰っていく「甘露門」の法要。その様子を「良かった良かった」と共に喜び、見送る参列者とご先祖様たち。その後、ゆっくりとご先祖様のためのご供養を行うというのが「施食会」の法要です。いってみれば「お先にどうぞのお裾分け」といったところでしょうか。

 それは、相手の苦しみを自分の悲しみとして受け止め、相手の喜びを自分の喜びにするという「菩薩」の生き方に通じるものでもあります。

 「他人のことなんか知らないよ」と門を閉ざし、自分の供養したい人だけに供養するというのもありかもしれません。でも、見ず知らずの霊たちに「お先にどうぞ」と言える施食の法要の心の豊かさが、私は大好きです。

(宇野全智)

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Profile
曹洞宗の研究機関で活躍する若手・中堅僧侶4人。
宇野全智(うの・ぜんち)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。山形県大石田町地福寺副住職
上月泰龍(こうづき・たいりゅう)/ 曹洞宗総合研究センター教化研修部門研究生。三重県鈴鹿市泰応寺副住職
菅原研州(すがわら・けんしゅう)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。宮城県栗原市城国寺副住職
関水博道(せきみず・はくどう)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。神奈川県横浜市東泉寺副住職

*4人の詳しいプロフィールは⇒こちら
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