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時の記念日にまつわる禅のことば

2013年6月10日

「時間」と「自分」の関係は?

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 6月10日は時の記念日。今回はこれにちなんで、時にまつわる禅語を紹介します。

 皆さんは「時間」と「自分」の関係を、どのように認識しているでしょうか。

 時間という大きな流れの中に、自分という存在があるのか。もしくは自分という存在の中を、時間が流れているのか。昨日の自分、今日の自分、明日の自分。同じものなのか、違うものなのか、つながっているのか、いないのか…。考えはじめると実にややこしいようにも思えますが、禅の世界では、時間と存在の関係をとてもシンプルに捉えています。

 それが、「時間即存在、存在即時間」つまり「時間がそのまま存在そのものであり、存在がそのまま時間そのものである」という、「有時」(うじ)という時間観です。

 一般的に、時間の流れは、「過去→現在→未来」と捉えられるものでしょう。過去の自分が現在の自分を作り、現在の自分が未来の自分を作る。でも、過去の自分や未来の自分というのは、本当に存在するのでしょうか。一見確かに思えるこの関係、また、「明るい未来があるからこそ、今我慢して頑張ることができる」という、例えば受験勉強に象徴されるような現在と未来との主従関係は本当に確かなものなのでしょうか。

 「有時」の時間観は、この時間軸における主従関係を取り去ります。つまり時間は「過去→現在→未来」と流れるものではなく「今、今、今」の連続と捉えるのです。

 考えてみれば、「過去の自分」というのは常に、現在この瞬間の自分にとっては実体のあるものではありません。同じように、「未来の自分」というのも、現在の瞬間の自分が想像する、実に不確かな存在です(もしかしたら次の瞬間、自分は死んでしまうかもしれないのですから)。そうしたものとの主従関係から現在の自分を解き放ち、この瞬間に「生き切る」ことを目的とするのが、禅の世界における存在観なのです(これは以前に紹介した「「良い子」のマネをした「悪い子」のはなし」とまったく同じ価値観です)

 「時は金なり」という言葉がありますが、禅の世界では「時は存在なり」です。今のこの瞬間こそが、自分の存在そのものであり、自分の存在はこの瞬間が全てである。刻一刻と現れ、消えていく自分の存在。しっかりと受け止めたいものです。

(宇野全智)

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Profile
曹洞宗の研究機関で活躍する若手・中堅僧侶4人。
宇野全智(うの・ぜんち)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。山形県大石田町地福寺副住職
上月泰龍(こうづき・たいりゅう)/ 曹洞宗総合研究センター教化研修部門研究生。三重県鈴鹿市泰応寺副住職
菅原研州(すがわら・けんしゅう)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。宮城県栗原市城国寺副住職
関水博道(せきみず・はくどう)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。神奈川県横浜市東泉寺副住職

*4人の詳しいプロフィールは⇒こちら
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