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日本人女子がNYで起業した理由

2013年6月5日

「このままでは甘ったれになってしまう」~大手商社を辞めて踏み出す

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 「日経ビジネスオンライン」の連載から、働き女子のみなさんに特に読んでいただきたい記事を抜粋してお届けします。今回は、<田村耕太郎の「経世済民見聞録」>からです。

 今回はニューヨークで起業を目指す「なでしこ」、矢野莉恵さんを紹介したい。アメリカでの起業の中でも、ニューヨークで起業というのが新鮮だ。起業のメッカは今でも西海岸である。「シリコンバレー」から「シリコンアレー」(ニューヨーク)へ、メッカが移転していると言われるようになって久しいが、シリコンバレーの優位はいまだに揺らいでいない。

 矢野さんは、「ITとファッションの融合ビジネス」でニューヨークに切り込む。「資本主義の士官学校」と呼ばれるハーバード・ビジネススクールでMBAを取得。日本人ハーバードMBAホルダーで起業した人はたくさんいるが、女性で、しかも米国で、起業するのは、矢野さん以外に聞いたことがない。矢野さんに話を聞いた。

田村:ハーバードMBAを取得した日本人女子で、米国で起業したのは矢野さんが初めてだと聞いています。多くの若者、特に女性が関心を持つと思います。よろしくお願いします。まず、これまでのキャリアを教えてください。なぜ大学卒業後、商社に勤めたのですか?

矢野莉恵さん

矢野:父親が転勤族だったため、過去に20回以上、国境を超える引っ越しを重ねました。幼少時代はカナダ、アメリカ。いったん日本に戻ったものの再び海外へ。メキシコで高校を卒業した頃には、日本人としてのアイデンティティクライシスに陥りました。日本人なのに、日本の事を全く知らない。それが不安になり、大学はアメリカの大学ではなく、上智大学の比較文化学部に入学しました。

 大学2年生の時、NHKのスペイン語ラジオ部門でバイトをし、英BBC放送でインターンを経験しました。この頃、ジャーナリストになって、海外特派員として仕事したいと思い始めました。ところが、3年生になり、マスコミ企業を受験したら、すべて落ちました(笑)。筆記試験場に行くと、日本語の力を問う質問があります。四字熟語の穴埋めなど、全く答えられませんでした。

 マスコミをあきらめて普通の就職活動を始めました。この頃、商社のことを始めて知りました。大手商社で日本流ビジネスを学びたいと思い、三菱商事に入りました。日本の一流企業で社会人としての基礎をとことん学んだ上で、世界に出たいと思っていました。

マスコミをあきらめ三菱商事へ

 入社後、広報部報道チームに配属されました。1年たったころ、部長との面談の時に「海外メディア対応がしたい」と希望を申し上げました。入社2年目の秋、米国三菱商事のトレイニー駐在(研修生として海外に駐在する勤務形態)としてニューヨークに渡らせてもらうことになりました。米国三菱商事では、同社社長の鞄持ち兼広報担当として、北はカナダ、南はチリやブラジル、アルゼンチンまで三菱商事の事業投資先の数々を訪問しました。

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