当連載では映画やドラマなどの映像作品について紹介していますが、今回は少し、舞台についても触れたいと思います。

 「日本で一番泣ける劇団」と呼ばれ、多くの観客を熱狂させた東京セレソンデラックス。残念ながら2012年末に解散しましたが、2010年に10周年記念公演として上演され、2万4000人を動員した伝説の舞台「くちづけ」が、映画となってよみがえります。

「くちづけ」
2013年5月25日(土)全国ロードショー
原作・脚本:宅間孝行
監督:堤 幸彦
出演:貫地谷しほり 竹中直人 宅間孝行
   田畑智子 橋本 愛 岡本 麗 嶋田久作 麻生祐未 平田 満
   宮根誠司 伊藤高史 谷川 功 屋良 学 尾畑美依奈 万田祐介
主題歌:「グッド・バイ・マイ・ラブ」熊谷育美(TAKUMI NOTE)
企画・製作:キノフィルムズ
制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
配給:東映
助成:文化芸術振興費補助金
(C) 2013「くちづけ」製作委員会

公式サイト:http://www.kuchizuke-movie.com/

 東京セレソンデラックスは、「花より男子」シリーズや、「愛と誠」などの脚本家としても知られ、俳優としても活躍している宅間孝行主宰の劇団。たくさん笑って、ホロリと泣ける舞台が人気で、2004年に上演された「歌姫」は、2007年にTVドラマ化されています。

 「くちづけ」は、東京、大阪、名古屋、札幌、そして韓国でも上演された、大勢の観客を号泣させた舞台。観客の1人だった堤幸彦監督は、映画化の企画が持ち上がり、監督をオファーされ、快諾したそうです。宅間さんは舞台に引き続き脚本、そして、うーやん役を担当しています。

中央のオレンジ色の服を着ているのがうーやん役の宅間孝行。

 知的障害者が集団で生活するグループホーム<ひまわり荘>。ここは、入居者の自立支援を目的として、小児科医の国村先生(平田満)と妻の真理子さん(麻生祐未)が運営しています。ある日、かつて「長万部くん」というヒット作を出した漫画家の愛情いっぽん(竹中直人)と、その娘のマコ(貫地谷しほり)がひまわり荘にやって来ます。マコを出産してすぐに亡くなった妻に代わって、漫画家業を休んで30年、男手ひとつでマコを育ててきたいっぽんは、ひまわり荘にマコを入居させ、自分は住み込みで働くことに。

 30歳だけれど、心は7歳のまま止まっているマコは、いっぽん以外の男性を怖がりますが、ひまわり荘のうーやんにだけは心を開きます。うーやんは、やたらとテンションが高い35歳の男子。マコと仲良くなり、結婚すると言い出しますが、現実的な結婚というものを分かっていない様子。

いっぽんが大好きで、そばを離れようとしないマコ。
缶を潰すのが得意なうーやんはマコに缶をプレゼントする。

 そんな中、いっぽんは自分が病気を患っていることに気づきます。でも誰にも言えず、マコの将来を心配して思い悩むいっぽん。一方、うーやんの妹・智子(田畑智子)は、兄を預けているひまわり荘をしばしば訪れていましたが、うーやんが兄であるために、問題を抱えており……。

国村先生にも自分の病気のことを話せないいっぽん。
智子が大好きなうーやんは、智子がひまわり荘に来ないと不機嫌になる。