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常識を飛び越える広い視野を持つために

2013年1月28日

【禅のことば】露柱懐胎(ろちゅうかいたい)~石灯籠が子どもを生む!?

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 私は子どもの絵を見ることが好きです。特に小さな子どもが描く絵は、私の常識を見事にブチ壊してくれるのでたまりません。

 何かぐちゃぐちゃと赤色の線のかたまりがあって、何かと思えば「りんご!」 白いかたまりは「わんわん!」 形にとらわれず、上手いも下手も無く、目に入ってきた視覚を感じたままに描いてしまう。これは大人の私たちにはなかなか真似できない素直さです。「世間の常識」というルールさえも無視してしまった自由闊達さには、私は正直なところ憧れを感じます。

 子どものように素直な感覚は非常に大切です。なぜなら、それは煩悩に染まらない清らかさを示しているからなのです。そのため、禅僧は時に、意図的に常識を無視した言動をとる場合もあります。そう、まるで子どもが絵を描く時のようにです。

 常識を無視した禅のことばに「露柱懐胎(ろちゅうかいたい)」があります。わかりやすく言えば、「石灯籠が子どもを生む」ということです。わけがわかりませんよね。きっと、子どもが描いたぐちゃぐちゃの絵を目にした時のような感じがするでしょう。

 禅では、この「わけがわからない」ということに注目します。「わけがわからない」という思いは、そもそも「わけはわかるべきだ」という常識が前提になって生まれています。常識は必要ですが、時にはそれを飛び越える広い視野が必要です。「露柱懐胎」は、私たちのルールをブチ壊し、常識では思いも到らない自由な境地を表現することを目的とした言葉のひとつだと言えます。

 「禅問答」ということばが示す通り、禅には意味の分からないシュールな表現がたくさんあります。それは前回の「文字通りにとってはいけない!?禅のことば」の回で触れたように、禅のことばには文字通りに受け取れない場合があるからなのです。ひとえに、ことばによって表されている素直さ、率直さ、真実、自由こそが大切なのです。

 ことばにとらわれず、道具としてキチンと使いこなしてこそ、一人前の禅僧と言えます。ですから、ここでのお話も私にとってはとても大事な修行です。

(上月泰龍)

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Profile
曹洞宗の研究機関で活躍する若手・中堅僧侶4人。
宇野全智(うの・ぜんち)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。山形県大石田町地福寺副住職
上月泰龍(こうづき・たいりゅう)/ 曹洞宗総合研究センター教化研修部門研究生。三重県鈴鹿市泰応寺副住職
菅原研州(すがわら・けんしゅう)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。宮城県栗原市城国寺副住職
関水博道(せきみず・はくどう)/ 曹洞宗総合研究センター専任研究員。神奈川県横浜市東泉寺副住職

*4人の詳しいプロフィールは⇒こちら
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