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給料を増やし続ける具体的方法とは

2012年12月25日

『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』平康慶浩

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『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』
平康慶浩

 東洋経済新報社/1575円
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昇給のスキルを、人事的な視点から明確に記した書。第1章「給与が増えなくなったのは君だけじゃない」で厚生労働省の調査結果「4社に1社が昇給ゼロ」を示すなど昇給が望めない環境要因を明確にし、第2章~第4章では昇給を司る人事制度に焦点を絞りながら給与を増やし続ける具体策を業界別・職種別などで提示。さらに第6章で人事の評価制度を解説し、最終章で非正規雇用者は正社員の座に就くことが年収向上の第一歩であると説いている。


 今の若い人は、就職できないことを避けるために「入れればどこでもいい」と思いがちなところがあります。入った後で年収に不満があると「転職しちゃおうかしら」「結婚しちゃおうかしら」「留学してみようかしら」など、余計なことを考えます。『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』は、「どうしたらお給料が上がるのか」というテーマをよく考えている、すごく濃い本です。目の前にある物事をとらえるだけではなく、広い目から見て「この会社でお給料を上げるにはこの作戦かこの作戦しかない」ということを徹底して解説しています。

 ありがちなタイトルですが、よくある成功本みたいに「大事なことは紙に書く」みたいなところで終わりにしていないのがいいです。「そもそも業界自体が今どうなのか」「何十年後はどうなっているのか」などを具体的に考えた上で、自分の立ち位置を分かってどこで何をするかを決めることを提案しています。もちろん今の年収のままでいいという選択もあるわけです。ですが、今の年収で満足できない場合にはこうしなくちゃいけないという技を具体的にいろいろと言ってくれています。

 例えば製造業だったら、普通は物作りにかかわる能力が大切だと思われるところを、生産管理のほうが実は大切ですよねと指摘しています。確かにその業界を良く考えてみればそうだよなと思う、その業界で認められる能力が何かということをすごくよく分かっています。その上で、能力や評価をお給料に集約するように話をしているので非常にわかりやすい。特に自分が良く知っている業界について書いているからでしょうけど、すごく説得力があります。

 違う業界も知っているからこそ比較できるというのもありますが、実は日本の会社というのも千差万別になってきているというのもポイントです。今までは「どこの会社に行っても同じだよ」というのが、なんとなくみんなで思っていたことです。でも会社によって風土も違うし、わかりやすく言うと「お給料をもらえる鍵となるのは何か」というところが実は全然違っているんですよね。外資系みたいにバリバリ自分の意見を主張するのがいい会社もあれば、できるだけ波風立てないほうが出世できる会社もあって、その差は非常に大きい。自分の会社が一番一般的に思えてしまうのですけど、実はこの本に書かれているみたいに「いざというときにこれをやりなさい」「これはやってはいけません」というのが会社によって大きく違います。そういうことを知るだけでも、視野が広がりますよね。

 最初は一般論が多い印象がもありますが、後半の業界・職種別の具体策などは「なるほど」と思いながら読み進めてしまいますし、最後まで軸がブレないでしっかりとしています。おもしろい本ですが、ちょっと見つけにくい本かなという気もしていますね。タイトルに「一生年収300万」とあるので、そうじゃない人の目には止まりにくいでしょう。たとえ年収800万円でも、待遇が合わないと思っている人はたくさんいます。そういう人も、自分が世の中のどの位置にいるとか、もらっているお給料でいいのか悪いのかとか、この本を通じて考えられることはたくさんあるのに。

 『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』で親切にも教えてくれているのは、「努力の方向が違っているとお給料に反映されないよね」ということです。人によって「いい仕事」の条件が違うように、会社によって評価するポイントや能力が違うのは当たり前のことです。特に20代の人に向けては、すごくいい本だと思いました。

構成/土田 みき

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Profile
小林麻実(こばやし・まみ)
アカデミーヒルズ六本木ライブラリー・アドバイザー
早稲田大学法学部卒業、同大学院国際経営学修士(MBA)課程修了。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。同博士課程中退。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、米国ユナイテッド・テクノロジーズ社において、世界15万人の社員による情報・知識の交換および創出を目指し、ヴァーチャルライブラリーを推進。「ライブラリーとは、個人が持つ情報を他者と効果的に交換し、イノベーションを生む場である」というコンセプトを構築し、2002年に六本木ライブラリーディレクター就任。著書『図書館はコミュニティ創出の「場」ー会員制ライブラリーの挑戦』(勉誠出版、2009)他。
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