邇邇芸命(ににぎのみこと)が稲穂を持って地上に降り立ったと言われる「高千穂」の場所は、以前にもお話した通り諸説あり、 鹿児島県と宮崎県の県境にある「高千穂の峰」と、宮崎県の「高千穂町」の2つが考えられています。

 今回は、「高千穂の峰」をご紹介しましょう。

 高千穂の峰は、標高1573mの複合火山として霧島屋久国立公園に属している山です。山頂には、邇邇芸命が降臨した際に突き立てたという天の逆鉾(あまのさかほこ)が現在も残っています。こちらのモニュメントは、鉄または銅製で、長さが138cmあり、奈良時代にはすでにあったようです。

 しかし、いつからここにあるのか正確な時期は分かっていません。神代の伝説をしのばせますね。

 「1866年に、坂本龍馬が妻のおりょうとこちらを訪れています。寺田屋事件で重傷をおった龍馬は、おりょうと共に船に乗って京都を脱出し、薩摩藩にかくまわれます。その薩摩滞在中、龍馬はおりょうと一緒に、聖なる山とされる霧島連山の高千穂峰に登山をします。このエピソードが日本初の新婚旅行と言われています。

 薩摩から維新の現場へと戻った龍馬は、大政奉還と薩長同盟といった偉業を次々と成し遂げていきますが、このような歴史的変革を彼が引き起こすことが出来たのも、もしかしたら高千穂峰の御利益を頂いたからかもしれませんね。

 天孫降臨の地ということは、天上界に住んでいた神さまたちにとってみても、地上に降り立つということは大変革を意味するわけですから、やはりこの地には、“変革”を起こす大きなパワーのコトワリが秘められているのでしょう。高千穂峰のご神宝『天の逆鉾』は向きが『逆』ですが、それは時代をひっくり返す象徴なのかもしれませんね」(木戸寛孝さん)

 そして、この天の逆鉾を管轄するのが、霧島東神社です。高千穂峰への登山ルートの途中にある高台に鎮座しており、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いさなみのみこと)、邇邇芸命などが祀られています。高台からは御池を望むことができます。

高台から望む御池。神秘的な雰囲気が漂います。