この季節の風物詩、ボジョレー・ヌーボーの解禁で注目のワイン。

数あるボトルの中から厳選した一本を注ぐ、ソムリエの仕事。

今回は、ソムリエールの吉田由紀子さんにお話を伺いました。

吉田由紀子さん
吉田由紀子さん

●ソムリエール歴4年。32歳。
●休日は、気になるレストランやワインショップ巡り、試飲会、ワイナリー見学に出掛けるのもいい刺激になっています。

リゾートトラスト株式会社 エクシブ箱根離宮
http://www.resorttrust.co.jp/
membership/hakone/


色や味に精通した豊かな感性で、ワインをチョイス

 吉田由紀子さんは、会員制リゾートホテル「エクシブ箱根離宮」にあるイタリア料理店の「リストランテ ターナ」で、ソムリエールとして働いています。ホテル内には4つのレストランと、ラウンジ・バーがあり、全体のソムリエは8名で、そのうち女性(女性の場合、ソムリエールとも呼ばれる)は吉田さん1人のみ。ワインだけでなく、ドリンク類やすべての料理のサービスも行っています。

 17時前にオープンするターナでは、14時からソムリエの一日がスタートします。ワイングラスを磨くことから始まり、その日のお薦めワインリストの作成、ワインの状態のチェックなど、最高の状態でお客様を迎えるために準備は入念に行います。お客様がいらっしゃると、料理に合ったワインをお勧めし、ブドウの産地や品種・文化的背景などに至るまで、ワインに関する幅広い知識をもとにおもてなしをします。

 閉店後は、片付けを済ませてから、その日のお客様のワインの好みなどのデータ入力やワインの在庫管理を行います。「より美味しく召し上がっていただくために、ワインの紹介、グラスのチョイス、温度、料理とのマリアージュ(組み合わせ・相性)などをトータルで大切にしています」

ワインへの探究心が芽生え、ソムリエを目指す

 「食」に興味があった吉田さんは、調理師学校を卒業して飲食店に勤務。そこで、接客の楽しさに気付き、サービス業の道一筋に歩んできました。ワインとの最初の出会いは20歳のとき。ワイン好きな先輩が自宅で振舞ってくれたのがきっかけでした。その後、毎日のようにワインを味わうようになり、ワインをテーマとした書籍もよく読むようになったといいます。「当時は、ソムリエが自分とは遠い専門的な仕事というイメージで、将来ソムリエになれるとは思ってもいませんでした」

 その後も、ワインへの興味は衰えず、現在の会社と同グループの「サンメンバーズひるがの」というホテルで勤務した際、あるワイン販売イベントで全社1位に輝きました。その頃から「ワインの知識を深めたい」という思いが強まり、上司に紹介された名古屋のワインスクールに通学することになりました。ソムリエの呼称資格認定試験には、一次試験の筆記と二次試験の口頭試問・テイスティング・サービス実技などがあります。吉田さんは、ソムリエ教本のあまりの分厚さと難しさに圧倒されながらも睡眠時間を削って勉強し、28歳のときにソムリエの資格を取得しました。

 さらに、ワイン販売1位の褒賞でフランスワイナリー研修に参加。「教科書上の知識ではなく、現地の風を感じることでいっそうワインに夢中になりました」。翌年、新規オープンのエクシブ箱根離宮への異動を決意。この間も毎年行われている「リゾートトラストソムリエコンクール」という社内コンクールに挑戦し続け、3度目の2010年、ついに女性で初めて優勝を獲得しました。「悔しい思いを重ねましたが、日頃のお客様へのサービスを大切にするなかで、コンクールに通用する技術を磨きました。毎日、先輩やお客様からたくさんのことを学んだおかげです。勲章に恥じないように自分を輝かせていく決心をしました」