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生涯独身の女優・夫への純愛を貫く歌手

2012年11月9日

「引退」の美学~原節子~ちあきなおみ~山口百恵

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 自分の存在を「物語」にして「商売」にしていく女を「アキンド女」と名付け、さまざまなアキンド女の生き方を語ってきた。

 一方で、成功していながらも、自分の「女」の「物語」を売りにすることをよしとしない「サムライ女」もいる。

 ここまで元祖アキンド女として、瀬戸内寂聴と、岡本かの子と、林芙美子と、宇野千代について語り、元祖サムライ女として白洲正子高峰秀子向田邦子森瑤子について語ってきた。

 そんな、元祖サムライ女の中には、「引退する女」もいる。

 一人が女優、原節子、もう一人が歌手のちあきなおみである。そしてこの系譜は歌手の山口百恵に続く。

 彼女達は年代は違えど一時代を築き、惜しまれながら引退し、みな存命ではあるが復活しようとはしない。

“永遠の処女”、女優、原節子

 女優の原節子は、1920(大正9)年生まれ。現在も存命で90歳を超えている。

 彼女は家庭が貧しかったことから女優になった。これは、以前紹介した高峰秀子もそうだったが、つまり「女優」になりたかったわけではなかったのだ。

 原節子を見たことがないという人は、できればDVDを借りて映画を見てほしいが、「日本人離れしつつも、日本的な美人」というべき、たいへんな美人である。
 
 その清潔感ゆえに「永遠の処女」と呼ばれたくらいである。

 実際、節子は生涯独身を貫いたとも言われている。

 代表作は名監督、小津安二郎と組んだ「東京物語」だ(小津にとっても代表作で、今年、山田洋次監督でリメイクされるそうである)。ほかにも、名監督黒澤明の「わが青春に悔なし」など、28年の女優生活で100本あまりの映画に出演した。

 しかし、1963年に42歳で引退。

 引退したのは私が生まれる前だったので、私も小学生くらいの時に「伝説の女優」として、節子の存在を知ったと思う。

 その後50年もの間、女優として復帰はしなかったが、未だに「その引退の謎」や「現在の生活」について、マスコミで取りざたされているほどだ。

 節子は自分の引退理由を、あきらかにはしなかった。

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Profile
深澤真紀
深澤真紀(ふかさわ・まき)
コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長
1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。若者、女性、食、旅など、様々なテーマの企画や執筆や講演も行っている。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる。平成の女性を語った『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。公式サイトhttp://www.tact-planning.com
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