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「都会的に恋愛する女のロールモデル」の人生

2012年11月2日

死後、家族が描いた「幸福でなかった結婚生活」

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 自分の存在を「物語」にして「商売」にしていく女を「アキンド女」と名付け、さまざまなアキンド女の生き方を語ってきた。

 一方で、成功していながらも、自分の「女」の「物語」を売りにすることをよしとしない「サムライ女」もいる。

  ここまで元祖アキンド女として、瀬戸内寂聴と、岡本かの子と、林芙美子と、宇野千代について語り、元祖サムライ女として白洲正子高峰秀子向田邦子について語ってきた。

 「働く女のロールモデル」になったのが前回の向田邦子だとすれば、「都会的に恋愛する女のロールモデル」になったのが、作家の森瑤子だ。

“都会的な恋愛”

 50代で夭折しているのも、二人の共通点である。

 とはいえ、未だに関連書籍が刊行され、語られることが多い向田邦子に比べると、森瑤子は「忘れられつつある作家」かもしれない。

 森瑤子は、1940年生まれ。豊かな家庭に生まれ、音楽や文学、海外からの留学生などに触れて育ち、東京藝術大学器楽科に入学し、ヴァイオリンを学ぶが、フランス文学などに興味が移り、また世界中を旅する。

 日本で出会った英国人と、東京で結婚生活を送る。

 瑤子は広告代理店に勤めていたが、娘が生まれたことでフリーランスのコピーライターになる。さらに2人の娘が生まれて専業主婦になり、夫と3人の娘とともに三浦半島に移り住む。

 専業主婦生活を送っていたが、夫ともうまくいかなくなってきており、閉塞感を感じていた瑤子は、1977年に37歳で小説「情事」を書き、翌年「すばる文学賞」をとって、デビューする。

 本名は伊藤雅代だったが、「森瑤子」というペンネームを自らにつけるところにも、彼女の自意識と美意識を感じるだろう。

 本書は、33歳で「自分はもう若くない」と感じる主婦である女性主人公が(この時代、33歳は、本当に「若くない」存在だったのだ)、外国人ジャーナリストとの不倫で、自分の「女性」を取り戻そうとする物語であり、その美しい文体・描写とともに、多くの女性たちに支持されたのだ。

 その後も瑤子は、数々の作品を描き、芥川賞や直木賞の候補となり、ベストセラー作家となる。

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Profile
深澤真紀
深澤真紀(ふかさわ・まき)
コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長
1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。若者、女性、食、旅など、様々なテーマの企画や執筆や講演も行っている。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる。平成の女性を語った『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。公式サイトhttp://www.tact-planning.com
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