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桐野夏生も描いた“アキンド女性作家”

2012年9月28日

サムライ女とアキンド女(13)

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 自分の存在を「物語」にして「商売」にしていく女を「アキンド女」と名付け、さまざまなアキンド女の生き方を語ってきた。

 一方で、成功していながらも、自分の「女」の「物語」を売りにすることをよしとしない「サムライ女」もいる。

 元祖アキンド女として、瀬戸内寂聴(元祖アキンド女の“子宮作家”)と、岡本かの子(「童女か聖女か」…伝説のアキンド女の恋愛)について語った。今回は、林芙美子について語っていこう。

『放浪記』

 林芙美子と言えば代表作の『放浪記』だ。

 女優、森光子が「でんぐり返り」をし、2000回以上上演した舞台の原作であると言えば、そのタイトルぐらいは聞いたことがあるかもしれない。

 この『放浪記』は、芙美子の自伝的作品であり、まさに元祖アキンド女らしい内容なのだ。

 芙美子は、1903年(明治36年)生まれ。

 父親に認知されず、母親は若い行商人の男と一緒になり、『放浪記』で芙美子が「私は宿命的に放浪者である」と書くように、芙美子を連れて西日本を渡り歩く。

 芙美子は貧しいながらも、文才を認められ、尾道市立高等女学校に入学し、昼は本を読み、文章を書き、夜は働くという生活を送っていた。

 卒業後は、尾道で出会った恋人を追いかけて上京するが、彼とは別離(関東大震災の頃である)。

 芙美子は一人東京で、文士や学者宅での掃除・洗濯、株屋の事務員、玩具工場の工員、カフェの女給、下足番、産院の手伝いなどさまざまな仕事をして働いた。

 それでも生活できず、キャベツを食べ、家がないので、公衆便所や空き家に潜り込んで寝たこともあったという。

 そして日記を書き始め、これが『放浪記』のもととなる。

 このころには、俳優や詩人などと同棲しては、金や暴力や女性関係などでもめては別れ、やがて画家の手塚緑敏と一緒になることでやっと落ち着く。

 手塚は、作家としての芙美子も支えてくれたのだ。
 
 やがて発表した『放浪記』がベストセラーになり、芙美子は一躍流行作家になる。

 しかし、それで落ち着く芙美子ではない。

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Profile
深澤真紀
深澤真紀(ふかさわ・まき)
コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長
1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。若者、女性、食、旅など、様々なテーマの企画や執筆や講演も行っている。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる。平成の女性を語った『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。公式サイトhttp://www.tact-planning.com
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