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元祖アキンド女の“子宮作家”

2012年9月14日

サムライ女とアキンド女(11)

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 自分の存在を「物語」にして「商売」にしていく女を「アキンド女」と名付け、さまざまなアキンド女の生き方を語ってきた。

 一方で、成功していながらも、自分の「女」の「物語」を売りにすることをよしとしない「サムライ女」もいる。

 前回(女性誌有名人の“サムライ女”とは)、元祖アキンド女と元祖サムライ女について紹介したら、「くわしく知りたい」という声をいただいたので、彼女達について語っていこう(文中敬称略) 

“子宮作家”瀬戸内晴美

 まずは元祖アキンド女の作家で僧侶の瀬戸内寂聴だ。

 1922年、大正11年で、関東大震災よりも前の生まれで、御年90歳。

 若い読者には「人格者の尼僧さん」というイメージかもしれないが、彼女の人生は毀誉褒貶が激しい。

 徳島の仏壇店に生まれ裕福だったこともあり、当時としては珍しく東京女子大学に進み(ちなみに東京女子大学は1918年に開学)、在学中に最初の結婚をする。

 しかし夫の教え子と恋に落ちて、夫と長女を残して家を出てしまう。

 そして働きながら少女小説や童話を書き始め、やがて「瀬戸内晴美」として大人向け作家に転向する。

 自身の男性遍歴を元に書いた「花芯」という作品が、ポルノだと批判され、「子宮作家」と呼ばれるようになり、30代の頃には文壇から干された時期もあるのだ(私も、子供の頃は「瀬戸内晴美の作品は読んではいけない」と言われていた)。

 その後も作家との不倫や恋愛を繰り返し、男性遍歴を元にした作品「夏の終わり」を発表、本作は女流文学賞を受賞する。このことで、作家としても評価されるようになる。

出家して「瀬戸内寂聴」に

 51歳で出家し「瀬戸内寂聴」となり、京都に「寂庵」をかまえ、その「青空説法」は人気となる。このあたりから、彼女への批判もだんだん減っていく。

 僧侶の傍ら、作家としても様々な女性の評伝を書いたり、源氏物語を現代語訳したりと、積極的な活動を続けている。

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Profile
深澤真紀
深澤真紀(ふかさわ・まき)
コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長
1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。若者、女性、食、旅など、様々なテーマの企画や執筆や講演も行っている。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる。平成の女性を語った『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。公式サイトhttp://www.tact-planning.com
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