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「意欲はあるけれど結果が伴わない」理由

2012年8月2日

五輪コーチの金言「どんな結果も自分が原因」

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北島康介選手や中村礼子選手を2大会連続五輪メダリストに育てた日本代表ヘッドコーチの平井伯昌さん。

ロンドン五輪には、チームジャパンを、そして北京五輪後から指導してきた背泳ぎの寺川綾選手、

バタフライの加藤ゆか選手、自由形の上田春佳選手を引き連れ、メダル獲得に挑む。

性別も性格も能力も違う選手たちが壁にぶち当たった時、

平井さんはどのような考え方で乗り越えさせてきたのか。

世界で結果を出し続ける名将の思考法は、働く場面でも非常に参考になる。

平井さんの考え方を、8つの「名言」から紹介する。

結果を他人事のように
説明するな

「意欲はあるけれど、結果が伴わない」

 そんな悩みを抱えている人は少なくないと思います。私が指導している、2011年の上海世界選手権のバタフライで初めてファイナリストになった加藤ゆかも、私の指導を受け始めた当初はそんな感じでした。試合に出ても結果が伴わないから、「本当に世界で勝てるのか」「先生の指導でこの練習で、本当にタイムが伸びるのか」「今までの泳ぎ方を変えるなんて大丈夫なのか」と疑問や不安を抱える。そんな状態で練習に臨んでも、私との信頼関係は深まるわけがなく、いいパフォーマンスに結びつきません。悪循環です。

 自信がない人は、自分のことを他人事のように話す傾向があります。例えば、伸び悩んでいた頃のゆかに調子を聞いても、「朝起きたら体が重かった」「泳いだら調子が悪かった」という返事が多かった。つまり、自分のことなのに自然現象を説明するかのように答えるわけです。そこには、自分の状態を「どうしたいのか」という意志がありません。「調子が悪かったから結果が出なくても仕方ない」という、逃げ道を作っているのです。結果を他人のせいにしたり、他人事のように捉えたりしては、克服しなければならない課題にすら気づくことができず、成長しません。

 そうした思考のクセをなくすにはどうすればいいか。私は「突き詰める力」が大事だと考えます。「調子が悪かった」で終わらせるのではなく、「なぜ悪かったのか」と突き詰め、自分なりの解決策を導き出す。

 「朝起きたら体が重かった」→(なぜ?)→「疲労がたまっていたのに、休養日に遊びに行き、体のケアを怠った」→(どうすればいい?)→「週末にトレーナーに体をほぐしてもらい、寝る前は必ずストレッチをやろう」

 このように、自ら招いた原因や解決策をとことん掘り下げる思考習慣を身につけることが大事です。

 コンディションを伝えるだけなら誰でもできます。それに対してあなたはどんな努力をしたか、あるいはどう努力したいのかということをコーチは聞きたいのです。自分の意志をきちんと持っている選手ほど意識が高く、コーチの指導が響き、結果につながりやすくなります。

 私が言い続けたことや、一緒に練習する背泳ぎの寺川綾たちの練習に対する意識の高さに感化されて、ゆかは次第に自らの意志を私に示すようになりました。それと同時に少しずつ結果が伴うようになり、世界選手権の決勝進出を含め、日本記録などの2011年の成果に結びついたのだと思います。 

 一流選手ほど「まだ何かできるんじゃないか」と、貪欲に突き詰める力があります。北島康介や、陸上競技のハンマー投げの室伏広治選手もそうした傾向が見受けられます。彼らが長く世界の頂点で戦い続けられるのは、どんな状況でも探究心を持って「何か勝てる方法があるのではないか」と突き詰めているから。「年だからこの辺でいいや」「能力がないからこんなもんだろう」などと諦めた瞬間、人間の成長は確実に止まるのです。

(※『突破論』より)

『突破論~世界で勝ち続ける秘訣、60の“金言”』
日経BP社、1470円(税込)

北島康介選手や中村礼子選手を2大会連続五輪メダリストに育て、伸び悩んでいた寺川綾選手をロンドン五輪で金メダルが狙えるほどに復活させた、競泳日本代表ヘッドコーチ平井伯昌氏の思考法が満載の一冊。結果が出せず、伸び悩んでいる選手を復活させるために、名将は何を考え、どのような指導をしてきたのか。選手のやる気と能力を引き出し、限界を乗り越えさせた育成論を、種目や性別、性格、年齢も違う選手たちの指導例からテーマ別に紹介していく。悩みながらもトライ&エラーで導き出した“平井式メソッド”は、アスリートだけでなく、ビジネスパーソンの教育・成長に役立つはずだ。


構成/高島三幸

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Profile
平井伯昌
平井伯昌(ひらい のりまさ)
1963年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、東京スイミングセンターに入社。アテネ・北京五輪の2大会で、北島康介選手に100m、200m平泳ぎで金メダル、中村礼子選手に200m背泳ぎで銅メダルをもたらす。北京五輪後、競泳日本代表ヘッドコーチに就任。2011年上海世界選手権で、北京五輪後から指導している寺川綾選手が50m背泳ぎで銀メダルを獲得。寺川選手のほかに、バタフライ日本記録保持者の加藤ゆか選手、自由形日本記録保持者の上田春佳選手といった教え子をロンドン五輪に送り込む。現在、『日経ビジネスアソシエ』で「平井伯昌の“金メダリスト”育成塾」 を連載中。新著『突破論~世界で勝ち続ける秘訣、60の“金言”』(日経BP社)を発売。平井レーシングチームのHPは⇒こちら/写真:(c)小川拓洋
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