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金持ちと貧乏、その境目はどこ?

2012年7月4日

『金持ちになる男、貧乏になる男』スティーブ・シーボルド

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『金持ちになる男、貧乏になる男』
スティーブ・シーボルド
 サンマーク出版/1575円
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「人生最初の25年を貧乏人の考え方で過ごし、いつも貧しくて困っていた」という著者は、大学時代から約25年かけて数百人の億万長者に金持ちになる秘訣を聞き出し、それらを実践。本書は、金持ちの仲間入りを果たした著者が学んだ教訓を「貧乏になる男は●●、お金持ちになる男は●●」と対比させた100項目。各項目に、内容を代弁するような著名人の名言や1行で具体的な行動例を示した「金持ちになるためのアドバイス」も付いている。


 『金持ちになる男、貧乏になる男』は、翻訳者が以前結構おもしろいお金持ち系の本を出していたんですよね。だから今回も良さそうかなと思ったら、かなり裏切られた感じでした。読みやすく作られてはいるし、パッと立ち読みした分にはいいかなと思ったのですが。

 この本は、「お金持ちになるヒントが欲しいな」という目で見るだけなら、いい加減なことはまったく言っていなくて、パワーもある本です。著者は書いていることを徹底して、お金持ちになりました。収入で世界の講演者の上位1%に入ると、プロフィールにも書いてあります。モチベーターとして講演するのを目の前で見ていたら、私も「わあ、素敵」と思うかもしれません。コンサートとかと一緒で、その場の雰囲気は楽しいし、この本の内容を実際にしゃべっていたらおもしろいんだろうなとは思うんです。

 ただ、個人的には、読み通して一番に感じたのは、お金持ち本に共通するある種の“オーラ”のようなものでした。

 お金が欲しければ、ちゃんと努力しなければいけません。目標を決めて、一生懸命にトレーニングもして、ポジティブでいるということ自体は、全然間違っていません。そこまではいいんですけど、そこから先で「何か違うな」と感じさせてしまうんです。著者のような人たちは、お金持ちになる過程が楽しいから努力しているんだと思うんですね。不動産やFXも好きでなかったら絶対に続かないのと同じで、とにかくお金持ちになりたいならそのために努力することです。でもこの本は逆に「ここまで努力できないのなら、お金持ちになる夢なんて見ないでね」と言っている風に感じました。

 特に「貧乏になる男は『友達をつくって人気者になる』ように子どもに教え、金持ちになる男は『人脈をつくって成功者になる』ように子どもに教える」の項目なんて、「初めから人脈になるかどうかで友達を考えるような人とは知り合いになりたくないわね」と思っちゃったんですよね。「そんなことしてまでお金持ちになりたくないと思うほうが普通ではないかな」と。

 自分が努力したものへの対価としてお金があるのは当然なんですが、日本人はあまりそれを認めなくて「結果的にお金をいただきました」みたいなことを言いたがります。お金を一生懸命に追い求める自分よりも「お金がなくとも幸せ」という自分を好む意識があります。お金と個人の関係が近いアメリカの社会に対して、日本人はあまりそういうことを考えないでふわふわふわと生きていくのが一番だと思っているような気がするのです。だから「お金持ちになりたい」とか「有名人になりたい」という発想は、嫌われることがしばしば。この本を読んでいて、日本人にとってお金持ちになる努力は心地よくないことなんだということを実感させられました。

 結局「この通りに1から100まで全部やりなさい」というわけではなく、「いろいろな考えがあるので、お好きなものをどうぞ」ということなのでしょう。自分がハッピーになるような、「そうそう」と言いたくなるところだけ読んでいけばいいんです。気に入ったページだけ切り抜いて、壁に張り出すみたいな感じで。だから気に入らないところを読み飛ばすというのも大事なのかなと思います。ある意味、使い方にテクニックが要求される本だとも言えます。この手の本をどれだけ読んでいるかによっても、印象は変わるでしょうね。

構成/土田 みき=ライター

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Profile
小林麻実(こばやし・まみ)
アカデミーヒルズ六本木ライブラリー・アドバイザー
早稲田大学法学部卒業、同大学院国際経営学修士(MBA)課程修了。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。同博士課程中退。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、米国ユナイテッド・テクノロジーズ社において、世界15万人の社員による情報・知識の交換および創出を目指し、ヴァーチャルライブラリーを推進。「ライブラリーとは、個人が持つ情報を他者と効果的に交換し、イノベーションを生む場である」というコンセプトを構築し、2002年に六本木ライブラリーディレクター就任。著書『図書館はコミュニティ創出の「場」ー会員制ライブラリーの挑戦』(勉誠出版、2009)他。
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