• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

クリエイティブになるための訓練とは?

2012年6月22日

『ひらめきトレーニング』ジョシュ・リンクナー

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

『ひらめきトレーニング』
ジョシュ・リンクナー
花塚 恵
 東洋経済新報社/1890円
 ■ アマゾンで購入する
 ■ 楽天ブックスで購入する

著者は13歳からジャズに携わり、ミュージシャンとして演奏を続けながら4つのハイテク関連企業を立ち上げた起業家。市場競争に負ける企業は創造力的に破綻しており、自身の成功も創造力に起因しているという気づきをきっかけに、創造力を生成・管理し、成長させる仕組みを構築する仕事にのめり込んだという。優れたリーダー200人超の話を聞いた成果であり、ビジネスの成功に結びつけるために自身も繰り返し使っているというトレーニング術。


 『ひらめきトレーニング』は、1800円の一冊の本から得られるものとしては「とにかく盛りだくさん」というのが一番の印象です。「クリエイティブであること」に、著者がすごく力を入れていることがわかります。「クリエイティブになれたらいいな」と思ったからと言って、2つ3つ本を読むだけで簡単になれるわけではないんですよね。いろいろな分野の人の知らない話がたくさん出てくるので、それに比べたら私の知っていることは本当に少ないなと実感しました。

 「こうやればクリエイティブになれる」という著者なりの法則があって、その証拠としてインタビューしてきた内容やジャズの話を随所に入れ込んでいます。いろいろな種類のものが百科事典的に入っていて、一つひとつはびっくりするような内容ではないのですが、細かい話も多いですし、知っている会社でも「こういうことをやっていたんだ」というような話をたくさん持ってきているので、「なるほど」と思ってしまうんですよね。

 また、いろいろな実例を見せるだけでなく、ちゃんと数値化してスコアリングしたり、順番や手順を踏んだりすることをきちんと出そうとする態度も見えます。理路整然とした理詰めの説明も特徴的で、非常にロジカルな人なんだなと思いました。百科事典的にトレーニングの種類を網羅しているので、多種多様な人に応用できるような構成になっていると思います。いろいろな努力の仕方があることもわかりますし、「どうしたらもっと自分の頭を使えるようになるのか」ということもひとつのメッセージなのかなと感じました。クリエーターではない普通の人でも創造性があることで会社が楽しくなっていくのかなって。だから最初のほうから「これはすべての業界のありとあらゆる人にとって必要な技なんです」ということをすごく強調しています。

 「トレーニングしていたらできるようになりました」という一般の人の話も多いので、「練習すれば誰でもクリエイティブになれる」ということがわかります。で、その練習も人並みはずれたぐらいやらないといけないのは何でも一緒だということも。サブタイトルに「5つのステップ」とありますが、それどころじゃないですよ。「あなたはそこまでクリエイティブになりたいんですか?」と聞かれているような気もしてきます。

 この人は、自分が「クリエイティブ」でいることに興味があるし、会社もクリエイティブにやり続けることが好きなんでしょう。たぶんすごいエネルギッシュな人なんだろうなということを、本を読んでいるだけでも強く感じます。圧倒されて、読むほうが疲れてしまうぐらいのエネルギーです。ただ、いかにもアメリカ人らしい明るいポジティブさがあるので、疲れると言っても嫌な疲れ方ではありません。とにかくひと通りは読み通しておいたほうがいいですけど、楽しみながら短い話をちょこちょこ読んでいくくらいの工夫をしないとちょっとこのパワーにはついていけない気がしますね。

 百科事典的に幅広く客観的に何かを言う本なのかなと思っていたら、書き手の個性が強く出ている本でした。環境をよくするとか、そういうことを含めていろいろな角度から「クリエイティブになる方法」を考えるのはすごいなと思いました。下手をすると寄せ集めみたいになってしまうところをきちんと一本の筋を通しているので、なかなか、並みの人ではない感じがします。「この人はどういう人なんだろう」と顔を見てみたいと思ったのですが、写真は載っていなかったですね。残念。

構成/土田 みき=ライター

この記事をSNSにシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

この記事は役に立ちましたか?
働く女性のための「日経ウーマンオンライン」最新記事のお知らせを好きな方法で受け取れます。

  • メールアイコン

    11万2千人

    無料メルマガを購読する

Facebookコメント

※Facebookのコメント機能は、Facebookのソーシャルプラグイン機能を用いて実現してい ます。本機能、およびコメントの内容について、日経ウーマンオンラインは一切の責任を負い ません(日経ウーマンオンラインからのコメントを除く)。また、コメントを非表示にしたり、機能を停止することがあります。

Profile
小林麻実(こばやし・まみ)
アカデミーヒルズ六本木ライブラリー・アドバイザー
早稲田大学法学部卒業、同大学院国際経営学修士(MBA)課程修了。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。同博士課程中退。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、米国ユナイテッド・テクノロジーズ社において、世界15万人の社員による情報・知識の交換および創出を目指し、ヴァーチャルライブラリーを推進。「ライブラリーとは、個人が持つ情報を他者と効果的に交換し、イノベーションを生む場である」というコンセプトを構築し、2002年に六本木ライブラリーディレクター就任。著書『図書館はコミュニティ創出の「場」ー会員制ライブラリーの挑戦』(勉誠出版、2009)他。
関連キーワードから記事を探す
ライフ恋愛・結婚人間関係の悩みお買い物・節約術整理・収納ファッショングルメエンタメ旅行・お出かけ暮らし方

Topics

CloseUp

WOL Selection

PAGE TOP

ログインしていません。

  • ログイン
  • 無料会員登録

Pickup

Focus

最新刊のご案内

仕事を楽しむ 暮らしを楽しむ日経ウーマン 10月号

もっと健康に、もっと美しく日経ヘルス 10月号

働くママ&パパに役立つウェブマガジン日経DUAL 9月号

まんがで分かる!やせる食べ方

毎日がラクになる片づけルール

日経ウーマンオンライン おすすめの本

日経ウーマンオンライン

広告をスキップ