今回相談をしてくれたT子さんは、音楽家を目指す26歳。

留学から帰国後は、職に悩む日々が続いています。

「実家暮らしで親に依存してばかりの自分を変えたい」といいます。

T子さん(以下、敬称略):音楽家として、この先の方向性に悩んでいます。よろしくお願いいたします。

 音楽系の大学院を卒業後、子ども向けの音楽教室に就職。その後、海外に1年間音楽留学をしました。その間、コンクールで1位を取り、ほぼ全ての科目で審査員満場一致の首席で卒業することができました。

内藤さん(以下、敬称略):それはすごいですね!

T子:ありがとうございます。でも、帰国後は仕事が思うように見付からず……。

 音楽教室に復職することはできましたが、留学前にしていた大学の仕事には復職できず、お給料は月収約10万円に激減しました。結果的に実家暮らしの親依存になってしまったのです。

 留学中は非常に頑張りましたし、帰国したらそれを仕事にいかしたいと思っていました。自分では意欲があるのに、現実では評価されなかったんです。実際に就職活動をしてみて、これまでの功績はあまり役に立たなかった。そもそも、実力を発揮する場所もなかったです……。

内藤:厳しい現実ですね。

T子:お給料が安いので、私のようにいくつか掛け持ちをする人が多いです。大学で教えながら、空いた時間で個人レッスンをして、たまに演奏会をする……みたいな。

 私も最近は、ようやく掛け持ちして働くことができるようになりました。大学や音楽教室の講師の他、演奏の仕事などを掛け持ちし、週6日働いています。トータルの月収は30万円以上になります。

内藤:週6日は大変だと思いますが、ご実家暮らしで、月収30万円以上あるということなので、金銭的には恵まれている方と言えると思いますよ。

T子:はい……。でも、大学や音楽教室の仕事は、夏休みなどの長期休暇があると収入がなくなるので、そういう面でとても不安です。

 一番の悩みは、この先の音楽家としてのキャリアをどうするかです。60歳に近付いた両親は、そろそろ仕事を引退しようとしています。でも自分は60歳で音楽活動をぱったり辞めるのは淋しいです。年を取っても、社会と接点を持っていたい。

 同世代の友人たちは、年功序列で給料が上がっていく可能性があるし、ボーナスもあります。でも私はそうではありません。

 有名なオーケストラに入れば会社員のような形で雇用されるので収入は安定するのですが、それは日本で2つしかなく、非常に限られた人の入る場所です。

 音大に就職して講師になれればと思ったのですが、なかなか……。