この季節、女性の悩みで増えるのが乾燥肌。お薦めは、精油とオイルを合わせた「アロマオイル入浴」だ。血行を良くしながら肌を保湿し、精油の香りでリラックス効果も抜群。ストレス対策にもいい。毎日の習慣に!

 年中、ストレスにさらされている現代女性。さらに寒くなると肌の乾燥や冷えの悩みが加わり、一段とつらさが増す。「冬は気温や湿度の低下で肌の水分が蒸発しやすく、発汗量が減るため乾燥が起きやすい。また体が冷えて血行不良になり、肌の代謝も落ちてしまう」と野村皮膚科医院の野村有子院長。

 そんな季節、心身をいたわる大切な時間としてお風呂を楽しみにしている人も多いはず。

 「お風呂なら、リラックスにも肌への水分補給にも血行促進にも一石二鳥!」。そう思いがちだが、実は入浴後は肌の乾燥が進みやすいのでご用心。特に高温の湯だと皮脂などが溶け出しやすくなる(下グラフ)。

整形外科に通院中で不眠を訴える患者18人が、夜間に真正ラベンダー1滴の電気アロマポットでの芳香浴を行ったところ、15人が熟睡度の上昇や入眠の速さを自覚した。(データ:日本アロマセラピー学会誌; 3,1,63-69,2004)
整形外科に通院中で不眠を訴える患者18人が、夜間に真正ラベンダー1滴の電気アロマポットでの芳香浴を行ったところ、15人が熟睡度の上昇や入眠の速さを自覚した。(データ:日本アロマセラピー学会誌; 3,1,63-69,2004)
湯船を出た直後、水分量は一時的に上がるが、入浴10分後には入浴前よりも下がる。健常成人14人に、38°Cと42°Cの湯で入浴をしてもらったところ、湯温が高いほうが入浴後の肌の乾燥が進んでいた。(データ:日本薬学会第130回)
湯船を出た直後、水分量は一時的に上がるが、入浴10分後には入浴前よりも下がる。健常成人14人に、38°Cと42°Cの湯で入浴をしてもらったところ、湯温が高いほうが入浴後の肌の乾燥が進んでいた。(データ:日本薬学会第130回)

 乾燥を防ぐには、「保湿用の入浴剤を使うのが一つの方法。含まれる保湿成分は皮脂との“相性”が良いものが多く、肌のうるおいを守ってくれる。また入浴後、優しく水分を拭き取り、ローションや乳液などで素早く保湿を」と野村院長。

 保湿とリラックスを一度にかなえてくれるおすすめの方法がある。ぬるめの湯に精油(アロマオイル)とオイルを入れる「アロマオイル入浴」だ。オイルで保湿できるうえ、好きな香りに包まれることでリラックスでき、快眠にもつながる。

 精油は、嗅覚と皮膚の両方から心と体に働きかける。「嗅覚を通して脳に届き、特に不安や緊張、睡眠などをつかさどる大脳辺縁系、さらにホルモン分泌や自律神経系をコントロールする視床下部に働きかけ、心身のバランスを整えてくれる。同時に、肺や皮膚から毛細血管に吸収され、血流に乗り全身に作用する」と、マザーズオフィス「アロマテラピーの学校」代表の宮川明子さん。