シミ、くすみ、たるみ、毛穴…。肌の悩みは尽きないもの。ズバリ、どんなコスメを使うといいのでしょう?美肌の専門家、アオハルクリニック院長の皮膚科医、小柳衣吏子さんに教えてもらいました。

 皆さま、こんにちは。小柳衣吏子です。今日は、シミ、くすみ、たるみ、毛穴、ニキビなどなどの肌悩みにマルチな効果を発揮してくれるスーパー美容成分についてご紹介します。

 そんなにスゴイ成分、早く教えてほしい! っと思ったあなた。きっと、その名前はもう知っているはずです。

 その成分とはズバリ…「ビタミンC」!

 あまりに聞きなれた成分で拍子抜けするかもしれませんが、いえいえ、やっぱり素晴らしいのです、ビタミンCの効果は。

 一般的には「美白」の効果が知られているビタミンCですが、それ以外にも嬉しい効果がたくさん!(美白の効果については、こちらの記事をご覧ください)

 まず注目したいのは、その「抗酸化」パワーです。ビタミンCは酸化を抑制して肌トラブルのもとを軽減してくれます。

 紫外線によって誘導される皮脂の酸化を抑えてくれるので、ニキビ治療にも効果的ですし、抗酸化によって肌の糖化(こちらをご参照ください)を抑えてくれるので、糖化によるくすみやたるみの予防にもつながります。

 ビタミンCが「たるみ」にも効くって、あまり知られていませんよね?

 “アンチたるみ”のパワーは「コラーゲンを増やす」というアプローチからも発揮されます。

 実は、コラーゲンの合成にビタミンCは必要不可欠! コラーゲンは線維が上質な束になることで肌の弾力のもとになるのですが、コラーゲン線維がしっかりとした束になる過程で必要になるのがビタミンCなのです。

 さらに、ビタミンCにはコラーゲンそのものを生み出す線維芽細胞を増やす働きも。ちなみに、線維芽細胞は保湿にかかわるヒアルロン酸も作る細胞。プリップリの弾力肌のために、ビタミンCは超重要! というわけです。

 肌の組織そのものを強くしたり、酸化防止に働いたりするビタミンCの作用は、ヘルスケアの様々な分野に生かされていて、育毛剤や歯磨き粉にも使われているようです。

 また、鉄の吸収を助けるので貧血予防にもなるという点で、女性は積極的にとりたい成分でもあります。

 こんなに私たちの健康&美容に役立ってくれるビタミンCですが、悲しいことに私たちヒトは、体内でビタミンCを作ることができません! (多くの動物がビタミンCを体内合成できますが、ヒト・サル・モルモットなどはできないのです)

 ですから、外から積極的にとるというアクションが大切になってきます。

 では、効果的なとり方ですが、「飲む」&「塗る」の両方で攻めるのがおすすめです!

 下は、マウスの実験でビタミンCを経口摂取した時にどれだけ肌に届くかを調べたデータです。たしかに肌へは届いていますが、しっかりと肌に効かせるにはダイレクトに「塗る」をプラスした方がいいと思います。

ビタミンC内服の分布
ビタミンC内服の分布
マウスに生後60日目から30日間、1日必要量の2.5%(0.2mg/日)ビタミンCを与えた。ビタミンCを1回投与24時間後の増加率を確認/Nutrition 27:471-478(2011)

 まず、飲み方です。