通常、おにぎりと聞けば「お酒を飲んだ後のシメのメニュー」という印象を持つはずだ。しかし実は、お酒にも合う、とっておきの塩おにぎりのレシピがある。塩おにぎりを追究するシリーズの後編をお送りする。

 前回は、一般社団法人おにぎり協会の塩担当・青山志穂さんに、軟水で炊き、水塩スプレーで握る塩おにぎりのつくり方、そして塩の選び方などを聞いた。

 今回は、青山さんが「お酒に合う」という塩おにぎりのレシピを明かす。普通、おにぎりと言えばお酒を楽しんだ後のシメにいただく、というイメージがある。だからお酒に合うおにぎりと言うと、実に意外に受けとめる方も多いのではないだろうか。

 今回は、塩おにぎりの作り方を復習しながら、ホームパーティーが盛り上がり、ビールやワイン、日本酒とのマリアージュが抜群のレシピを青山さんに聞いた。

(聞き手・構成は須田 泰成)

一般社団法人おにぎり協会で塩の担当をし、また日本ソルトコーディネーター協会の代表理事でもある青山志穂さん
一般社団法人おにぎり協会で塩の担当をし、また日本ソルトコーディネーター協会の代表理事でもある青山志穂さん

 まずは、レシピに進む前に、基本の塩おにぎりの作り方をおさらいです。前回の記事も合わせてご覧ください。

(1)お米はお好みのもので、できれば精米したてのものを。お水はお好みの軟水で。お塩はしょっぱみ以外にも旨味や甘味がある海水塩がおすすめです。(100mlの軟水に20~25gの塩を溶かして、濃度20~25%の塩水を作っておきます)
(2)ボウルにお米を入れて、軟水を入れてさっと洗ったらすぐに水を捨てる。 (3)(2)の工程を3~4回繰り返す。
(4)お水をしっかり計量し、炊飯器にお米とお水を入れて、スイッチオン。(土鍋で炊くとさらにおいしい)
(5)炊き上がったらすぐにふたをあけ、十字に切るようにして天地を返す
(6)濃度20~25%の水塩をスプレーボトルに入れて、片手に3プッシュずつ(計6プッシュ)したら、ごはんをまとめるようにふんわりとおにぎりの形にまとめる。

おにぎりをまとめるときは、ふんわりと
おにぎりをまとめるときは、ふんわりと

 それでは、ちょっとお洒落なおにぎりのレシピをご紹介しましょう。

 まずはキュッと冷えたシャンパンや白ワインに合うものを2つ。

ドライトマトとバジルの洋風おにぎり

ごはん・・・茶わん1杯分
塩レモン・・・小さじ1/2(なければ塩小さじ1+レモンの皮すりおろし小さじ1/2)
セミドライトマト・・・1個
乾燥バジル・・・小さじ1/2
水塩・・・6プッシュ

(1)セミドライトマトは細かくカットし、塩レモンはペースト状にしておく。(レモンの皮を使う場合はすりおろしておく)
(2)ごはん、塩レモン(または塩、レモン)、ドライトマト、乾燥バジルをボウルに入れて切るように混ぜる。
(3)手に水塩を3プッシュずつして、おにぎりを握る。

 このおにぎりは、飲めます(笑)。細かく切ったプロセスチーズを加えて一緒に握ると赤ワインもいけます。チーズは、お好みでいろんな種類を試してみてもオモシロイですね。

 次も爽やかなおツマミ系です。

すだちおにぎり

ごはん・・・100g
すだち・・・1/2個
塩鮭(しおざけ)・・・1/3切れ
パセリみじん切り・・・大さじ1
いりごま・・・小さじ2/3

(1)ごはんにほぐした塩鮭と煎りごまを混ぜる。パセリとすだちの皮のすりおろしを混ぜておく。
(2)球状に握る。
(3)周囲をパセリとすだちの皮を混ぜたものをまぶす。

 これは、辛口のフルーティーな日本酒にもバッチリ。なんだか飲むことばかり言っていますが(笑)、おにぎりが日本酒のアテになるなんて、素敵です。もともと米同士ですからね。相性が良いに決まっています。