人との出会いをサポートしてくれるツールとして大きな注目を集めているのが、「マッチングアプリ」と呼ばれるアプリ。自分と趣味やライフスタイルが似たユーザーを探し出してくれる新たなコミュニケーションツールとして、様々な種類のマッチングアプリが登場し、様々な出会いが生まれています。

(C) Graphs/PIXTA
(C) Graphs/PIXTA

 そんな中、音楽フェス好き、ライブ好きの間で話題となっているミュージック系マッチングアプリ「Lifull LiveMatch(ライフルライブマッチ、以下ライブマッチ)」が登場しました。どんな使い方ができるのでしょうか。

 例えば、行きたいアーティストのライブや音楽フェスがあるのに、一緒に行く友だちがいない、一人で行くのは心細い…というとき。あるいは、一緒に行くつもりだった同行者が急に行けなくなり、余ったチケットを音楽の趣味が合う人に“定価で”お譲りしたい…というとき。そんなときは、このアプリの出番。このライブに一緒に行きたい、チケットを買いたいと考えている人を探してくれるのです。

 そもそも、このライブマッチはどのような経緯で誕生したのでしょうか。Lifull LiveMatch代表取締役で開発者の對馬政隆さんに話を聞きました。

チケットを譲った見知らぬ人と意気投合!

Lifull LiveMatch代表取締役・對馬政隆さん
Lifull LiveMatch代表取締役・對馬政隆さん

 「僕自身、音楽が大好きでよくライブに行っていたんです。それで、あるときあるアーティストのライブのチケットを余らせてしまったことがあって。SNSを利用し、チケットを探している人に声をかけてみたら、一人の男性から返答があったんです。それで、初めて知らない人とライブへ行くことになったのですが、すっかり意気投合し、その方とは今でも連絡を取り合うようになりました」

 そのときの体験がキッカケとなり、「同じアーティストが好きな人同士でコミュニケーションができるサービスを作ったら、きっと面白いことになるのでは?」と思いついた對馬さん。ライブマッチの原型となるサービスを社内の新規事業提案制度で提案。子会社として事業がスタートし、この8月にアプリをリリースしました。

ライブマッチ
URL:http://www.lifull-livematch.com/
無料 iPhone版のみ
ライブマッチは、音楽ライブの同行者を探すアプリ。
ライブマッチは、音楽ライブの同行者を探すアプリ。

 「主な機能としては、iPhoneに保存しているアーティストのライブ情報を簡単に探せるというもの。普段からよく聴いているアーティストは、ライブマッチの中でリストアップされ、一覧が出てきます。そこにライブ情報が紐付けされるので、好きなアーティストのライブを見逃さずにすみます」(對馬さん)

音楽ライブラリに入っているアーティストのライブを表示する。
音楽ライブラリに入っているアーティストのライブを表示する。

 ライブマッチ最大のセールスポイントは、同行者を探す機能だという對馬さん。「これから開催されるフェスやライブには、それぞれ「コミュニティ」と呼ばれる部屋を設けてあり、その中で『同行者を探しています』という募集を、ユーザーが自由に募ることができるようになっているんです」(對馬さん)

どんなアーティストの曲を聴いているのかをプロフィールで確認できる。
どんなアーティストの曲を聴いているのかをプロフィールで確認できる。

 「コミュニティ」の中にいる他のユーザーのアイコンをタップすると、その人がどんな曲を聴いているのかをプロフィールとして確認でき、自分と音楽の趣味が合うか人なのかどうかをチェックできます。その人と一緒にライブへ行くかどうかを判断するときの目安になりそうです。

 ライブマッチの配信をスタートしてからおよそ3カ月。ユーザーの反応はどうでしょう?

 「まだ有料広告は出していませんが、口コミでの広がりに加えて、AppStoreのベスト新着Appに選ばれたり、テレビの情報番組でも紹介されたりしたことが重なり、現在1万ダウンロードを突破しました。抵抗感をあまり持たない世代を中心に使ってもらっています」

 とはいえ、チケットの売買など金銭が絡むとトラブルが起こりがち。ライブマッチでは、どのような防止策をとっているのでしょうか。

 「利用規約で、定価以上のチケット売買を禁止しています。もし仮に相手から、定価以上の金額を求められた場合は、通報ボタンから通知できる仕組みを取っています。通知を受けたら、こちらでアカウントを停止します。現時点ではトラブルの報告はないですね。Twitterとも連携しているのでプロフィールが見えますので、その相手が音楽ファンなのか、転売目的のダブ屋なのかも見分けやすいと思います」(對馬さん)

 今後は、あからさまな異性交際目的での利用を防ぐため、「同行者募集」の際に「女性限定」を選べるようなサービスも考案中とのこと。また、今どんなライブが人気か、どの募集が立てられているのかを一覧で見られるような機能も増やす予定だそう。

 ダウンロード配信やストリーミングなど、音楽の聴くスタイルが大きく変わっていく中、音楽を生で体験するライブだけは、その場に行かなければ分かりません。今後、ライブの重要性はどんどん増していくことでしょう。

 「僕の初めてのライブ体験は、Mr.Childrenの東京ドームだったんです。行く前はどうしたらいいのか分からなくて、知人にいろいろ聞いたところ『この曲の、このタイミングで手拍子をする』とか、そういうポイントを教えてもらったんですね。そうやって予習してライブ会場へ行ったら、ものすごい一体感を味わえたんです。そんなふうに、ライブマッチでユーザー同士が情報を共有しあって、もっともっとライブを楽しんでくれたら嬉しいですね」

 根っからの音楽好き、ライブ好きの對馬さんだからこそ生まれた音楽系のマッチングアプリ、ライブマッチ。趣味の合う音楽仲間をもっと増やしたいと思っている方は、一度試してみてはいかがでしょう?