雑誌やインターネット記事で、時おり見かける「住みたい街ランキング」。ランキングに挙がっているエリアを見てみても、どこか現実感がなかったり、実際に住んでみて感じる印象とは「ちょっと違うな」と感じたりしたことはありませんか。「本当に住みたい街」とは、どんな街なのでしょうか。

どんな街が住みやすい?
どんな街が住みやすい?

 住みたい街のランキングの多くは、交通アクセスなどの利便性や、住宅水準の高さ、話題性などで選ばれています。例えば、再開発が進んでいる街は、利便性が高そうに感じますが、実際に住んでみるとコミュニティ意識が薄いことを感じることがあります。また話題性が高くても、画一的なモールが建ち並び、街に活気が感じられることもあるかもしれません。

 ここで、「本当に住みたい街」に関する興味深い調査が二つあるので、ご紹介します。

「本当に住みたい街」=「地元愛を感じる街」

 まずは、「日経ウーマンオンライン」が実施した、“地元愛”についてのアンケート(2015年7月23日~7月31日実施、有効回答数99件)。対象となったのは東京都内のみですが、大変興味深いものがありました。

●地元愛を感じる東京の街ランキング
(日経ウーマンオンラインアンケートより)

1位  「自由が丘・三軒茶屋・二子玉川」
2位  「品川・五反田」
3位  「中野・吉祥寺・三鷹」
4位  「新橋・浜松町・田町」
4位(同点) 「お台場・豊洲・湾岸」

 「あなたが地元愛を感じる街は?」という問いに、もっとも多かった地区が「自由が丘・三軒茶屋・二子玉川」でした。

あなたが住んでいる街は、地元愛を感じますか?
あなたが住んでいる街は、地元愛を感じますか?

 「以前、桜新町に住んでたことがあります。渋谷に近く、とても便利でした。おしゃれなお店がもあれば、庶民的な商店街などもあり、雰囲気がよい。近くに大きな公園などもあり、住むのに最適です」(36歳)という意見や、「ビル群などばかりが建ち並ぶ本当の都会エリアとは少し違って住宅街もあるし、おしゃれな雰囲気がある。ちょうどバランスが良いと思う」(39歳)といった意見など、オシャレな雰囲気と庶民的な雰囲気、両方を感じられるところが人気のようです。

 続いて多かった地区が、「品川・五反田」。こちらは、「スーパーや飲食店などが多数あり、便利。山手線、浅草線など複数の交通機関があり、職場からも近い。大崎や品川、目黒、白金へ徒歩で行けて、アクセスが非常に良い」(26歳)など、利便性を理由に挙げている人が目立ちました。

 3位は「中野・吉祥寺・三鷹」。「路線が多く、どこにも行きやすく、通勤に便利。スーパーやお店、カフェ、飲み屋がたくさんある。そして人通りが多く、夜に歩いても安心」(29歳)と、こちらは交通アクセスの利便性に加え、外食や買い物がしやすい点も大きなポイントとなったようです。そして同点4位だったのが、「新橋・浜松町・田町」と 「お台場・豊洲・湾岸」。どちらも、ロケーションの良さが人気の理由です。

 ちなみに新宿や渋谷などは、「勤務地が都心のことが多く、エンジニアなので夜が遅くなっても帰りやすいため」(41歳)と、居住性よりも利便性を優先する人に支持されました。

 年齢や世帯類型別に見てみると、20代の独身女性は職場へのアクセスや、外食・買い物に便利な点を住む街の条件として重要視する人が多く、子供のいる女性、30代半ば以上の女性は、自然の多さや庶民性を大事にしている人が多いという印象です。それに加え、いかにその街に愛着を感じるかが“地元愛”にとって、大切な要素と言えるのではないでしょうか。