「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」受賞者が決定! (C)TAKA/PIXTA
「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」受賞者が決定! (C)TAKA/PIXTA

 女性のキャリアとライフスタイルを支援する女性誌『日経WOMAN』(日経BP社 東京都港区、編集長:安原ゆかり)は12月7日、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」を発表し、大賞者・須永珠代さんを含む今年の受賞者7人を決定いたしました。

 「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」大賞に選ばれたのは、全国初のふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」を立ち上げ、ふるさと納税ブームを大きく牽引したトラストバンク代表取締役社長の須永珠代さん(42歳)です。

 ふるさと納税は、地方の人口減少による税収減への対応として、2008年に国が始めた制度。自分の居住地以外で応援したい自治体に寄付(ふるさと納税)をすると、寄付額のうち2000円を超える金額は所得税と住民税が控除される仕組みで(収入により上限あり)、多くの自治体が、寄付者に特産品などの「お礼の品」を用意しています。

 「この情報をもっと世の中に広めれば、地域に貢献できる」と考えた須永さんは、2012年9月、全国1788自治体のほぼすべてのふるさと納税の「お礼の品」情報を掲載したポータルサイト「ふるさとチョイス」を開設しました。このサイトの開設以降、年間100億円に満たなかった全国の自治体へのふるさと納税の寄付額は、年々倍増。2015年度は、減税対象となる寄付の上限額が約2倍に引き上げられたこともあり、総務省の統計では4~9月の上半期だけで453億円に上り、年間1000億円に達すると予想されています。

 須永さんはサイト開設当初から、自治体に対してお礼の品の提案や、PRのサポートを行う一方、2013年末からは、サイトからクレジットカード決済で寄付ができるシステムも導入。2015年12月現在、全国625自治体に、「ふるさとチョイス」を通してクレジット決済で寄付できる仕組みを整備しています。住民税収入が年間2億円ほどの地方の市町村が、ふるさと納税に力を入れることで、年間10億円以上の寄付を集めるといった事例が次々に生まれています。

 さらに、お礼の品の魅力の発信だけではなく、「個人が税金の使い道を選べる」というふるさと納税の本来の目的にかなう仕組みも導入しています。「ふるさとチョイス」では2013年9月から、自治体が特定のプロジェクトをPRして寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング」という取り組みを開始。2014年7月からは、災害などの発生時に、ふるさと納税を活用して自治体へ直接寄付できる「緊急寄付申し込みサービス」の提供も始めました。このサービスは自治体が無料で使用でき、ほとんど報道されない災害や、報道されなくなった災害にも継続的に寄付を集めることを実現させています。

 ふるさと納税を通して、地方自治体が工夫次第で税収を上げることができるというきっかけを作り、日本に寄付文化を浸透させた須永さんの功績を高く評価し、今年の大賞となりました。