日本で初めてマイナス金利政策が導入された2016年。こんな時代だからこそ、「お金との上手な付き合い方を知りたい!」と、東京、大阪、名古屋の3カ所で行われた「マネー美人のための資産形成セミナー」に、たくさんの働く女性が詰めかけた。

「隠れ貧困女子」にならないために

生活経済ジャーナリストファイナンシャルプランナー和泉昭子さん
生活経済ジャーナリスト
ファイナンシャルプランナー
和泉昭子さん
大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに。CFP®取得後、現職。メディア出演や講演活動、個人相談などを通じ、マネー、キャリア、コミュニケーションに関する情報を発信。著書は『出費グセがみるみるなおる! お金が貯まる手帳術』(メディアファクトリー)など多数

 毎年、参加した働く女性たちから「ためになった!」「投資を始めるきっかけになった」と大好評の「マネー美人のための資産形成セミナー」。2016年は、東京、大阪に加え、名古屋でも開催。平日の夜にもかかわらず、会場内いっぱいに参加者が詰めかけた様子からは、投資に対する関心の高さが伺える。

 まずは第1部、生活経済ジャーナリストの和泉昭子さんの基調講演からスタート。働く女性の大半は、将来への漠然とした不安を抱えているという。自分自身を「貧困女子予備軍」だと考え、先行きを悲観する人も少なくない。そんな働く女性たちに和泉さんは、「人は正体がわからないと不安を感じます。つまり、この先何が起きるのかわかれば、やるべきことが見えて不安は解消するはず」という。これからの社会環境や、一生の収支のイメージと合わせて、やるべきこと=投資についてユーモアを交えた話が始まった。

 これまでは、5年、10年と、銀行に長い期間お金を預けるほど多くの利息をもらえた。しかし、「マイナス金利時代」では、普通預金の金利は、0.001%。今や「時間」を置いてもお金は増えることはない。だから、「時間」ではなく、別の選択をしなければならない。「そのため、これからは多少のリスクを引き受けながら積極的に投資をして、効率的にお金を増やしていくことが必要なのです」

分かりやすい解説に興味津々
分かりやすい解説に興味津々
投資に興味はあるけれど、まだ一歩を踏み出せていない人、また、始めてはいるけれど、「このやり方でいいのかな」と考える、投資の初心者が集まった

3%の権利で運用すれば、360万円が578万円に

大和証券投資信託委託株式会社ファンド・プロモーション部宮澤沙央梨さん
大和証券投資信託委託株式会社
ファンド・プロモーション部
宮澤沙央梨さん
大学卒業後、証券会社を経て、2006年に大和証券投資信託委託へ入社。現在は、ファンド・プロモーション部にて、全国の金融機関向けにセミナーや研修を行う。その内容は、商品説明から投資信託運用状況の解説・フォローアップやマーケット環境など多岐に渡る

 続けて第2部では、参加者から寄せられた質問に、和泉さんと大和証券投資信託委託株式会社ファンド・プロモーション部の宮澤沙央梨さんが、プロならではの視点で回答していく。

 まずは、「貯金ではダメでしょうか」という質問に、宮澤さんが具体的な数字をあげてその差を説明する。「毎月1万円を積み立て預金にしても、金利がほとんどないに等しい今は、1年で12万円、30年経っても360万円にしかなりません。ところが、1年に3%の利回りで、複利で運用すれば、30年後には、578万円になるのです」

 また、どんな投資が初心者にお勧めかという質問に、和泉さんは「誰でも安い時に買って、高い時に売りたいと思うはずです。でも、どんどん値下がりしているときは怖くて買えないし、たとえ値上がりしても、もっと上がるかもしれないと思ったら、なかなか売れないのが人間の心理。まして、相場が読めない今のような時代には、機械的に毎月一定額ずつ買う積み立て型がよいでしょう」と語る。

的確なアドバイスが続出
的確なアドバイスが続出
働く女性が今、一番知りたい質問に、具体例やご自身の経験などを交えて、プロがズバッと答えてくれる第2部。会場では大きく頷く姿が目に入る