キレイも! キャリアも! ハッピーも!――。日経グループは、働く女性のための総合イベント「WOMAN EXPO Kobe 2015」を11月29日(日)、ホテルオークラ神戸で開催します。すべての女性のために役立つ情報を、講演、セミナー、トークショー、展示などリアルの場で提供します。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのV字回復に貢献した、 ユー・エス・ジェイ マーケティング部 プロダクト担当部長 森本咲子さんのご講演決定を記念し、「日経WOMAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー2015」リーダー部門受賞時の記事(日経WOMAN 2015年1月号掲載)を紹介します。

株式会社ユー・エス・ジェイ マーケティング部 プロダクト担当部長
森本咲子さん(42歳)

Sakiko Morimoto
Sakiko Morimoto
72年京都府生まれ。95年、神戸大学経済学部卒業後、P&Gに入社。高級化粧品ブランドSK-IIの商品開発を担当し、98年に26歳でブランドマネージャーに就任。多くのヒット商品を手がける。06年、34歳でアソシエート・マーケティング・ディレクター(部長職)に昇進。12年5月、ユー・エス・ジェイに転職し、プロダクト担当部長に就任。

 2014年7月、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に映画『ハリー・ポッター』の世界を再現したエリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がオープン。大きな話題となった同エリアを起爆剤に、USJの14年度の来場者数は開業時以来の1100万人を超え、過去最高を達成する見込みだ。ここ数年で業績のV字回復を成し遂げた同社に大きく貢献しているのが、プロダクト担当部長の森本咲子さん。エリアやアトラクション、イベントなどを一から立ち上げるチームを率いる。12年にP&Gから転職し、その直後から社内の工程管理と情報共有を徹底させ、各部門の進行を統括する事業責任者を置く体制に。「仕事のクオリティーが高まった」と社内中が口をそろえる。

 ハリー・ポッターエリア開業時、森本さんの陣頭指揮で初導入したのが、エリアへの入場整理券制だ。アトラクションと違ってエリアは人の滞在時間が読みにくく、当初はリスクが予見され難航。しかし「ゲストの満足度を上げるには“10時間待ち”のような事態は避けたい」と関連部署と納得いくまで分析・交渉を重ね、導入を成功させた。

 映画の世界観を再現するクオリティーも追求。湖水の色や看板表示など細部にこだわり、本物のフクロウを入れるという世界の同パークで初の試みも、各方面の認可を取りつけ実現した。

 部下からの提案にも積極的に向き合う。「乗り物の身長制限でハリーの城に入れないゲストの不満を解消したい」との発案から、城内を歩いて巡れるコースを導入したのもその一つだ。

 森本さんは大学卒業後にP&Gに入社し、新製品開発などでヒットを飛ばす。30代で2児を出産する一方で部長職に昇進。海外赴任を受けるか悩み、「家族のそばにいたい」と決めた40歳のとき、元同僚でUSJの執行役員を務める森岡毅さんから声が掛かる。「培ってきたスキルを生かせる」と転職に踏み切った。

 転職後は、幼児のいる家族向けエリアで乗り物の予約システムを導入するなど、次々に新施策を実施。同社に誘った森岡さんは「彼女の徹底した消費者視点が事業を成功させている」と話す。「私のような“普通の人”だからこそ気づくことを大切にしたい」と言う森本さんに多くの社員が学びを得ているという。