会社を辞めずに海外に出て、国際貢献にチャレンジしながらスキルアップができる――そんな制度があるとした

ら?JICA(国際協力機構)の「民間連携ボランティア制度」で青年海外協力隊としてベトナムに派遣され、

帰国後は、その経験をキャリアアップにつなげて活躍する女性に話を聞いてみた。

ベトナムでの活動経験をキャリアに生かす!

帰国後は所属部署も変わり、現在は、日本へのショッピングツーリズムの普及など、さまざまな業務に携わっているという山本さん。
帰国後は所属部署も変わり、現在は、日本へのショッピングツーリズムの普及など、さまざまな業務に携わっているという山本さん。

 入社以来、紙媒体の制作部署に所属していた山本さんが、海外で働くことの魅力に気づいたのは、中国でオフィスの立ち上げに携わったことがきっかけ。苦労が続いても、それ以上に、いろんな人と協力し、ゼロから何かをつくることの楽しさを知った。また機会があればと思っていたとき、社内でJICA青年海外協力隊の「民間連携ボランティア」への参加を募集していることを耳にした。

 「選ばれてから派遣までの1年弱は、仕事もこなしながら準備をしました」という山本さん。仕事を同僚や後輩にまかせ、海外ボランティアに参加することに不安はなかったのだろうか?

 「今後のキャリアのためにもチャレンジしたいという思いが強かったので、不安よりも期待のほうが大きかったですね」

 派遣先はベトナム中部の都市フエ。観光局に所属し、現地の観光資源を日本にアピールするためのパンフレット制作などを担当した。1年の派遣期間で多くのものを吸収するには、今までのキャリアを生かせる職種で確実に成果を残すほうがいい。そう考えて志願したという。

 「パンフレット作成だけでなく、前任のシニア海外ボランティアがつくった日本語ウェブサイトの更新・変更や現地の情報を盛り込んだ日本語の観光マップも作成しました。観光マップは材料集めからデザインまでこだわった、自分なりに達成感の大きな仕事。現地のある日本の旅行代理店の方から『こういう媒体はなかったからとても役立つ』と評価していただいて、自信にもつながりましたね」