デスクワークが長く、肩がガチガチ。まるで肩甲骨がぴたっと背中にくっついている気がする……。そんな人は、医師が考えた「肩甲骨はがし」を! 肩甲骨が動きやすくなって、たちまち肩こりが軽くなり、猫背も解消します。

<b>「ガチガチ肩甲骨」の原因は肩甲骨につながる深層筋</b><br>肩こりの原因となる筋肉は、主に3つ。浅い部分にあって、肩の広い範囲を覆う「僧帽筋」と、深層筋である「肩甲挙筋」「菱形筋」だ。いずれも猫背姿勢によって、硬くなって凝る。特に、2つの深層筋が凝ると、肩甲骨の動きが悪くなってガチガチ肩甲骨に。だから、これらの動きを円滑にさせれば、肩甲骨が動きやすくなる。また、正しい姿勢を維持しやすくなる。
「ガチガチ肩甲骨」の原因は肩甲骨につながる深層筋
肩こりの原因となる筋肉は、主に3つ。浅い部分にあって、肩の広い範囲を覆う「僧帽筋」と、深層筋である「肩甲挙筋」「菱形筋」だ。いずれも猫背姿勢によって、硬くなって凝る。特に、2つの深層筋が凝ると、肩甲骨の動きが悪くなってガチガチ肩甲骨に。だから、これらの動きを円滑にさせれば、肩甲骨が動きやすくなる。また、正しい姿勢を維持しやすくなる。

 肩がずーんと重く感じられる肩こり。肩甲骨が背中に張りついているような感覚がある人も多いだろう。整形外科医で、東京医科大学整形外科学分野講師の遠藤健司さんは、「肩甲骨は、本来、肋骨(ろっこつ)の上をすべるように動く。だが、肩こりの人では、肩甲骨が肋骨に癒着したようになって、動きが悪くガチガチになっていることが多い」と話す。ガチガチ肩甲骨かどうかは、背中を壁につけて立ち、腕を上げるだけでわかるという。それが下のチェックだ。

 「水平から45度までは、肩関節だけで腕が上がる。だが、それ以上に腕を上げるのは、肩甲骨の動き」(遠藤さん)。つまり、45度まで上がらないと肩甲骨はガチガチというわけ。

 そもそも肩こりには、「深い部分にある菱形筋と肩甲挙筋が大きく影響する。どちらも肩甲骨を動かす筋肉で、これらが硬くなると、肩甲骨の動きが悪くなり、ガチガチ肩甲骨になってしまう。だから、この2つをほぐし、意識的に鍛えることが必要」(遠藤さん)。「肩甲骨はがしストレッチ」でまず肩甲骨を動かせる範囲を広げてから、「肩甲骨はがし筋トレ」で2つの筋肉を鍛えよう。肩こり、首こりから猫背まで解消できる。

腕を上げるだけでわかる!
肩甲骨ガチガチ度チェック

壁に背をつけて立ち、腕がどのくらいの角度まで上がるかで肩甲骨の動きの悪さ、“ガチガチ度”がわかる。自分で角度がわかりにくければ、周囲の人に見てもらおう。

<b>(1) 壁に背をつけて立ち腕を肩の位置に上げる</b><br>かかと、背中を壁につけて真っすぐ立つ。その姿勢で、腕を肩の位置まで上げる。手のひらは下向き。ひじは曲げず、腕も壁につけるようにする。<br> <br> <b>(2) 痛みを感じないところまで腕を壁伝いに上げていく</b><br>そのまま壁伝いに腕を上げる。痛みを感じない、無理のないところまで上げたら、その角度を確認する。腕が壁から離れたり、ひじが曲がったりしないようにする。
(1) 壁に背をつけて立ち腕を肩の位置に上げる
かかと、背中を壁につけて真っすぐ立つ。その姿勢で、腕を肩の位置まで上げる。手のひらは下向き。ひじは曲げず、腕も壁につけるようにする。

(2) 痛みを感じないところまで腕を壁伝いに上げていく
そのまま壁伝いに腕を上げる。痛みを感じない、無理のないところまで上げたら、その角度を確認する。腕が壁から離れたり、ひじが曲がったりしないようにする。
この人に聞きました
遠藤健司さん
東京医科大学
整形外科学分野講師

東京医科大学卒業。大学院時代から肩こり、首由来の平衡障害(めまい)に関連した研究を行い、米国ロックフェラー大学留学時は神経生理学を専攻。東京医大茨城医療センター整形外科医長を経て、2007年より現職。近著に『本当は怖い肩こり』(祥伝社)。自身も「肩甲骨はがし」で五十肩が改善したという。

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