社会で活躍する女性が増える中、女性だからこそぶつかる悩みも増え続けています。今回は国内最大のビジネススクールであるグロービス経営大学院が運営する女性向けキャリアサイト「マナビプラス」から、日常抱きがちな悩みを「ビジネスフレームワーク」で解決する方法をご紹介します。

 仕事に慣れて、オンとオフの使い分けも上手になったころ、今度は自身の成長の頭打ちが不安の種に。何か新しいことを始めないと!と思い立ち、周りの情報に流されて、なんとなく自分磨きと思えることに足を運んでしまいがちですが、それって本当にあなたのためになっているのでしょうか? マナミも、漠然とした不安に駆られて、空いた時間の使い道についてアレコレ悩んでいるようです。ちょうどそこに通りかかったチエ先生が、「費用対効果」を踏まえた自分磨きの道を説きます。

相談者:うーん、どれにしようかな。

チエ先生:あら、どうしたの? 難しい顔しちゃって。仕事で何か困ったことでも?

相談者:あ、チエ先生。おかげさまで仕事のほうは順調です。しかも最近は残業なしで帰れる日もできたんですよ。だから空いた時間で自分磨きの習い事でも始めようかと思って、雑誌を見ながら考えていたところなんです。

チエ先生:それで、やりたいことは見つかりそう?

相談者:うーん。今のところ有力なのは、ヨガとかワイン講習なんですけど、月々の出費を考え出すと、将来のためには貯金に回すほうがいいかなーなんて思ったりもして、ちょっと迷っています。

チエ先生:そもそも習い事をしようと思ったのは、時間ができたという理由だけ?

相談者:それもありますけど、仕事にもだいぶ慣れてきたし、なんでもいいから自分の成長につながるようなことを始めなきゃと思って。家でぼーっとしているのももったいないし。

チエ先生:それで、ヨガやワイン?

相談者:ヨガは友達で何人かやっているコがいて、ハマると楽しいよって言っていたし、健康的じゃないですか。ワインは単純にワインが好きなので、詳しくなれたらいいかなって。あと、ワインに詳しい女性ってなんかステキなイメージ!

チエ先生:なるほど……。じゃあ、貯金をするとしたら、それは何のために、どれくらいするつもり?

相談者:何のためにって、将来のため? この先何があるかわからないし、蓄えは多いに越したことはないですよね。とりあえず、月に2、3万くらい貯金に回せたらいいなと思っていますけど。

チエ先生:うーん……。差し出がましいようだけど、その考え方のままでは賛成できないわね。

相談者:えっ、どうして!? ヨガやワインを習うにしても、貯金をするにしても、自分のためになるのに~。

チエ先生:時間もお金も限りのある大切なものでしょ。どんな使い方をするのが自分にとって一番いいか、費用対効果をよく考えて行動してほしいの。

相談者:費用対効果? どこかで聞いたような気がするけど、それが私の習い事や貯金とどういう関係が? この際ちゃんと教えてください!

 費用対効果とは、かかった費用と比較してどのくらいの効果が得られたか、または事前に見積もった効果が実際に得られているかを検証するときに用いる経済学の指標です。数値化した効果を費用で割ることで求められ、少ない費用で効果が高いほど「費用対効果が大きい」とみなされます。一般企業では新たなシステムを導入するときや、広告宣伝の方針を決めるときなどに活用します。

 では、簡単な例を用いて費用対効果の比較をしてみましょう。