1日70~130gとゆるやかに糖質制限する「ロカボ」(低糖質)食が、無理なくやせられると注目されています。提唱者で北里大学北里研究所病院の山田悟さんは、すでに7年間ロカボ生活を実践。体重が減り、血圧は適正になったそうです。山田さんのロカボ生活を紹介するとともに、正しいロカボの実践法と、長続きさせるためのコツを解説します。

 体重や血糖値をコントロールする際に、食事の「カロリー」ではなく「糖質量」を制限する食事法が、医療現場でも取り入れられるようになってきた。理由は、「カロリー制限は空腹感が強くて続けにくい。糖質制限ならお腹いっぱい食べられるのにやせて、筋肉は減らない。血糖値や脂質代謝、血圧も改善する、といいことずくめだからです」と山田さんは話す。

 糖質とは、脂質、たんぱく質と並ぶ3大栄養素の1つ。砂糖などの甘いものや、米・小麦・イモなどでんぷん質の食品に多く、血糖値を上げる唯一の栄養素だ。「糖質をとりすぎて血糖値が急上昇すると、過剰な糖質は脂肪となって体にたまる。これが肥満の原因。毎食の糖質量を低く抑えれば体脂肪が減る」(山田さん)というわけだ。

 山田さんが提唱する「ロカボ」は、糖質制限の中でもゆるやかに糖質(カーボ)を低く(ロー)抑える方法。自身も7年前からロカボ生活を続け、「体重が減り、高めだった血圧が改善した。ロカボでは薄味を心がけるので、減塩効果で血圧が下がったのかも」と山田さん。 食事会などでロカボにできない日もあるが、「朝食は必ずロカボ、などと決めると長続きできます」とアドバイスする。

07:00 朝食

<メニュ―>
チーズ入りオムレツ
シメジとホウレン草のソテー
チーズとハムのクロワッサンサンド
プルーン入り無糖ヨーグルト
紅茶

朝食は自炊しやすく、ロカボを実践するチャンス。「普段からポトフなどで朝から肉を食べています」(山田さん)。

12:30 昼食

<メニュ―>
若鶏のソテートマトソース
ロースハムとキノコのサラダ
オニオンスープ
パンとバター

週に1~2回は病院2階の「レストランつくし」で、自身が監修してる「糖質制限ランチ」を食べる。1日30食限定で、毎日売り切れる人気のメニュー。

15:00 おやつ

<メニュ―>
カロリーコントロールアイス<バニラ>

「楽しく」糖質制限するにはおやつが食べられることも大切。「ラムレーズン味のカロリーコントロールアイスもよく食べます」と山田さん。

21:00 夕食

<メニュ―>
パリパリ皮の油淋鶏風
エビと豆腐のレンジ蒸し
蒸しナスのラー油ソース
ご飯

ボリュームたっぷりでも糖質量が低いのは、ご飯を茶碗半分に抑えているから。同じメニューを食べた編集部員の食後血糖値は低く抑えられていた。

スーパードクターFILE
山田 悟さん
北里大学北里研究所病院 糖尿病センター長

日本糖尿病学会糖尿病専門医として日々多くの患者と向き合いながら、糖尿病治療と研究を行う。おいしく食べる喜びを損なわない食事として、ゆるやかな糖質制限食=ロカボ(低糖質)を提唱。その考えを普及すべく、休日も講演や企業への指導、執筆などに力を入れている。、『ロカボで食べるとやせていく』(幻冬舎)、『Dr.山田の新・糖質制限食事法』(高橋書店)など著書多数。

取材・文/武田京子、写真/鈴木正美、料理・スタイリング/タカハシユキ
栄養計算/原山早織(食のスタジオ)、北里大学北里研究所病院 診療技術部 栄養科、デザイン/ビーワークス

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