開脚や前屈の書籍が話題になり、「体を柔らかくしたい!」という人も多いだろう。実は、体を柔らかくするには、肩関節と股関節を同時に動かす「動的ストレッチ」が効率的。3分でたちまち体が柔らかくなるテクニックを教えます。
「開脚をして股関節だけを柔らかくしようと頑張るより、股関節と肩関節を一緒に動かすストレッチを行うほうが、抜群に体は柔らかくなる」というのは、パーソナルトレーナーの小林邦之さん。
肩関節と股関節は連動している。例えば、歩行時。大またで歩こうとすると、腕を大きく後ろに引かないと難しい。写真のように、左手をぐーっと上げると自然と右足が浮いてくる。そんな肩関節と股関節の連動を生かした「柔軟教室」でぜひ体の柔らかさを手に入れて。
股関節と肩関節 2つの硬さチェック
「柔軟教室」は、まず体の硬さチェックから始まる。「体のなかでも、柔軟性が重要なのは、肩関節と股関節。この2つの硬さを確認するといい」と小林さん。
肩関節の柔軟性チェックというと、背中で、両手を組む動きがおなじみだろう。片腕を上から、もう片方の腕を下から回し、両手が組めれば〝肩関節の柔らかさは十分〟と判断する。しかし、小林さんは、「デスクワークが多いためか、今やこのチェックで手が組めない人がほとんど。そこで、壁を背にして立ち、壁にそって手のひらを上に上げていく方法で確認してほしい。親指がわき下まで来ればOKだ」(小林さん)。どうしても親指がわきに届かない人は、肩関節がガチガチに硬くなっている。
一方、股関節の硬さは床に座ってチェックをする。足裏を合わせて座ったとき、ひざと床の間にどれくらいすき間ができるだろうか。「股関節が硬いとひざが床につかない。こぶし1つ分以上のすき間があるなら硬いということ」(小林さん)。
チェックをしてみて、自分が硬いとわかった人は、早速、記事で紹介する3つのストレッチを。肩関節と股関節を同時にストレッチし、硬くなった関節まわりの筋肉をほぐす。
肩を壁から離さず、親指をわきまで上げられる?
壁に背を向けて立ち、左ひじを上げていく。左手の親指が左わきまで上がらない場合、肩関節が硬い。逆も同様に行ってみよう。
足の裏を合わせて座り、ひざがこぶしより高いと、硬い
床に、足の裏を合わせて座る。ひざと床の間に握りこぶし1つ以上のすき間があるなら、股関節が硬い。片方だけが硬い場合も。
ねじって柔らかく パタパタストレッチ
肩関節のある上半身と、股関節のある下半身を逆方向にひねって、気持ちよく体をねじる。体の“大黒柱”、背骨まわりの筋肉が集中的にほぐれる。
1. 寝て、両手を組む
あお向けに寝る。ひざはそろえて立て、両腕は垂直に上げて手を組む。
2. 脚は左に、両腕は右に倒す
息を吐きながら両ひざを左に倒し、腰も左にひねる。と同時に両手は右に倒し、肩と胸を右にひねる。視線は組んだ手に。自然に呼吸して8秒キープ。
3. 脚は右に、上半身は左に倒す
次に息を吐きながら両ひざを右に倒し、腰も右にひねる。両手は左に倒し、肩と胸も左にひねる。視線は組んだ手に。自然に呼吸して8秒キープ。
体の硬さに関しては筋金入り。「冗談でしょ?」と思われるくらい前屈ができないのに、「パタパタストレッチ」など3つのストレッチを1分ずつ、合わせてたった3分やるだけで柔らかくなってびっくり!

パーソナルトレーナー
均整術師
モトクロスで負傷し、リハビリ中に均整術に出合う。均整術とトレーニングを組み合わせた手法を基にトレーニング指導。多くのアスリートやモデルを担当する。
取材・文/羽田 光(編集部) 写真/鈴木 宏 モデル/島村まみ ヘア&メイク/依田陽子 スタイリスト/椎野糸子
「これ以上の情報をお読みになりたい方は、日経ヘルス誌面でどうぞ。」